日記

島半周
2021.08.01

鬼脇の朝。宿の窓からはやませ(北東風)により、白波が激しく踊る利尻水道が見えた。
空を流れる雲が早い。その光景に、昨日利尻水道横断することができてよかったと心底感じた。

出発してすぐに、利尻山へと目を向けた。山は絶え間なく東の空から湧き上がる雲に包まれ、その姿は見えない。
鬼脇から仙法師(せんほうし)へと島を時計回りに歩いていくと、空を覆っていた雲が徐々になくなり、利尻山の姿が少しずつ現していく。島特有の変化だろうか。
この日、北東側の町、鴛泊(おしどまり)は雨が降り、気温は22度。南西側の気温は30度を超えていた。島の中でフェーン現象が起きていたようだ。

仙法師を通過すると、空は快晴となり、利尻岳がくっきりと見えてきた。途中、キンと冷えた麗峰湧水(れいほうゆうすい)で喉をたっぷりと潤した。利尻島を一周する悠遊覧人G(ゆうゆうランニング)に参加させていただいた時にも、この存在に助けられたことが懐かしかった。

海に突き出た小さな磯の上に祀られた龍神様に、昨日の利尻水道横断を無事に終えることができたことへの感謝を伝え、少しずつ見え方が変化する利尻山に見守られるように沓形(くつがた)へと入った。
少し遅い昼食は、利尻ラーメン味楽の焦がし醤油ラーメンで満たされ、利尻岳登山前日を終えた。

しかし、宿泊先へチェックインした後、翌日の天気を確認すると表情が曇った。予報が下方へと傾いたのだ。3日以降の天気予報はさらに崩れ、雨天や不安定な天候が1週間先まで続く予報となっている。翌朝5時に最終判断をすると決め、不安な夜を過ごすこととなった。

 この日記に書かれている場所はこの辺りです