北緯45度を越えて
2021.07.30
連日の猛暑。クーラー設備のない家が多い北海道では、厳しい状況だ。
宿泊先もその設備がなく、休養日となった29日は一日5回も冷水シャワーを浴びていた。
海風が抜ける天塩川河口の町、天塩町を離れ河口大橋を渡り、28基の風力発電機がずらりと並ぶ、オロロンラインを北へと歩いた。午前中の海は穏やか、予報よりも風は弱そうだ。
「明日もこんな感じだといいな」と思いながら、淡々と歩き続けた。
ふと、あとゴールまで実働3日だということに気が付いた。「あと3日かぁ~」と急に感慨深くなる。オロロンラインを行く車が稚内方面へと走り去っていき、その中にはバイクや自転車も。こちらに手を上げて、あいさつをしてくれる姿に、うれしさとこの時間もあとわずかだということに、少し寂しさも流れた。
海と原野の間を走る一本の道。照り付ける日差しを背に歩いていると、あるモニュメントが目に留まった。それは北緯45度を示すものだった。北半球の丁度中間点となる場所。スタートの屋久島が北緯30度なので、15度分北上してきたことになる。
北緯45度よりも北にある三百名山は一つだけ、それがモニュメントの奥に利尻水道を挟み聳えていた。この日の海は予報程風が吹かず、終始穏やかになっていた。
明日の出発地、稚咲内(わかさかない)の海岸を確認し、この日の宿へと海を離れた。
夕方、シーカヤックの運搬サポートしてくれている両親と久しぶり再会し、翌日の打ち合わせをして早めの就寝となった。