日記

天塩川ダウンリバー2日目
2021.07.23

前日のスタートが9時45分だったため、2日目は7時半には宿を出発。宿から2キロ程歩き、前日の上陸地点へと向かった。
朝の天気予報では、日一日と最高気温が上昇するとあった。出発地の名寄市は33℃になるという。

予定通り8時15分に出発。初日よりも1時間半も早い。
出発してまもなく、支流の名寄川(なよろがわ)が右岸から合流してきた。前日の剣淵川(けんぶちがわ)と同様に、支流も渇水のようだ。ダムで水量をコントロールされていなければ、下るほどに支流が合流して、本流の水量が増えて行くはずなのだが…。
ただ、渇水だからといってめげるわけにはいかない。ありのままの状況を的確に対応していくことが大切だ。

2日目は前半で最長の35キロ。前日以上に気を引き締めて挑んだ。
この日は天塩川の名の由来にもなった「テッシ(魚を取る仕掛け簗(やな)の有るところを意味する)」をいくつも下る。テッシは川の中で、一条に大きな石が並んでいること場所のことで、大小さまざまなテッシが、流れを複雑にしたり、瀬(急流)を生み出したりしている。
中流域で最もアグレッシブな区間になるだろう。

パックラフトは白波が立つ瀬のような急流でこそ、本領を発揮する。しかし、今日も暑さの方が先に本領発揮の様子だ。水面からの照り返しも強く、2日間であっという間に露出した肌は真っ黒になった。

名のつくテッシや瀬を事前にプリントアウトし、ラミネート加工を施した天塩川の川下り用地図を参考に漕ぎ進めた。
この日のクライマックスは「六郷テッシ」。手前のトロ場(流れがなく湖のような状態)から波しぶきの轟音が聞こえてくる。他のテッシとは比べ物にならない大きさだ。
テッシはアイヌ語では簗(やな)のことをいうが、実際は天然の砂防ダムのような感じだ。
テッシがあることで、ずいぶん手前から流れがなくなり、湖のようなトロ場が続き、テッシを流れ落ちる水しぶきの音が近くなると、その先が急流となっていることを意味する。
堰のようになっているため、本当に直前まで、その先の流れがどうなっているか分からないため、毎回慎重に近づいた。

流れは川底や露出する大小の岩に影響されるが、それ以上に水量で川の表情は全く異なる。したがって、今回の水量、川の状況が自分にとってのスタンダードとなるため、今後2度3度と天塩川を下る機会があれば、今回が基準となる。

前回はこうだったから大丈夫、危険はない等と楽観視して、あまり注視せずに下ると、取り返しのつかないことになってしまう。
川は蛇口のように直ぐに止めることができないため、水量の変化には十分すぎるほどに気をつけなくてはならない。

テッシの直前でスピードを落とし、パックラフト上からスカウティングをする。一番通りやすく、リスクの少ないルートを確認するためだ。
これを怠ると、フリップ(ボートがひっくり返ること)したり、ラップ(ボートが岩に張り付くこと)したり、最悪の場合、人工物に引っかけてバースト(ボートが破裂)させてしまうこともある。
何度も下っている利根川ならまだしも、初めての川でアグレッシブなチャレンジをする必要はないのだ。

結果、無事に通過。通過後に下流側から、六郷テッシをよく観察するともう少し激しく、下りがいのあるルートがあった。
そこで、一度パックラフトから下りて、担いで上流へ。長い1日なのだが、ついついラフティングガイド魂に火が着き、2度3度と担ぎ上げては六郷テッシを味わった。
ここは水量があと50から100センチ増えるとかなり激しく、リスクの高い場所になることも同時に感じた。

六郷テッシで遊び過ぎた代償は大きかった。それは、携帯電話の水没。激しく何度も水を浴びたことで、水圧に耐えきれず、水没してしまった。
だが、タフネススマートフォンのTORQUE5Gは全くのノーダメージ!安定の信頼感だ。

2日目のゴールは、4連休でにぎわうびふか温泉。
ゴール地点にはおびただしい数のカワシンジュ貝が川底を埋め尽くしていた。
途中、遊んだ時間もあったため、7時間もかかってしまったが、無事に目的地へと到着した。
暑さによる疲労度は昨日よりも強かった。

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