旧国鉄士幌線
2021.06.10
幌加温泉(ほろかおんせん)への道のりは、2015年にも歩いた。
湖畔沿いの国道を、前回は薄暗くなるまで走っていたが、今回はニペソツ山の登山口となる幌加温泉まで16キロほど歩くだけ。そのため、国道を歩くのは味気ないので、並行して走る旧国鉄士幌線の廃線路を歩くことにした。
今はぬかびら源泉郷から8キロほど、自然歩道として歩くことができるみたいだ。そして、その道の随所に大小の橋梁が当時のまま遺されているため、鉄道マニアにも人気なのではないかと思われる。
ちなみに僕は乗り鉄でも、撮り鉄でもない。旅を彩る景色の一つとして、とても絵になるから時々注目する程度だ。
今日も、ここを歩くことで何か発見があるのではないかと思い、歩くことにした。
最初の糠平川(ぬかびらがわ)橋梁から、遊歩道がスタート。歩き始めてすぐにトンネルがあり、序盤はトンネルが通行止めとなっているため、一度線路を外れ、山を越えて、反対側へと下りて再びトンネルに合流する道のりとなった。平坦な廃線路を歩けるとばかり思っていたため、意外と激しいアップダウンに、耐えきれず三つ目で早くも国道へと出てしまった。
1キロほど国道を歩くと三ノ沢橋梁が国道のすぐ隣に現れ、再び廃線路へ。そこから先は長い直線が続いていた。地図を見れば途中で「幻の橋」といわれるタウシュベツ橋梁が見える展望台へと合流する。風が通り、木立の中を抜けていく廃線路はとても快適だった。
30分ほど進むとその展望台への道に合流、廃線路を離れて湖畔の展望台へと向かう。かなり距離はあったが、対岸に旧国鉄旧士幌線の朽ちたタウシュベツ川橋梁が見えていた。幻といわれる理由は、ダムが満水になると水没して湖底に沈んでしまうことから、そういわれるようになったそうだ。案内板には6月から10月にかけて水没していくとあったため、今回は水没する前の橋梁を見ることが叶った。幸先が良さそうだ。
この日、北海道内ではフェーン現象により、各地で30度を超える真夏日となっていた。
都市部から遠く離れた東大雪の山奥もかなりの気温となっていた。移動距離が短かったものの、暑さで体力の消耗は前日以上だったかもしれない。