日記

主稜線本格縦走
2021.04.23

3日目(縦走2日目)、予報通りに早朝から素晴らしい天気となった。風は少し残っていたものの、昨日ほどではない。準備を整えて、6時30分に出発した。
時速2キロのペースで順調に進んでいく。歩き始めは、重いバックパックに身体が慣れていないため、動きが鈍いが、2時間ほどでだいぶ慣れてくる。初日は42㎏だったバックパックもそれ以上重くなることはなく、日一日とどんどん軽くなるため、順調に縦走を進めていく活力にもなる。それでもまだまだ十分重いのだが。

この日の最大の難所はエサオマントッタベツ岳を越えること。日高北部の神威岳(かむいだけ ※)を越えて、一休みし、手前から細く長い主稜線となった。今にも落ちそうな雪庇をいくつも慎重にかわしながら、距離をつめていく。

標高差300mの急斜面を登りきると、昨日は霞んでいた南部の山々も見えてきた。
その中で、明日登る計画のカムイエクウチカウシ山が、一際異彩放っているように見えた。

「険しい」。

同じ日高の山なのに幌尻岳(ぽろしりだけ)や今いるエサオマントッタベツ岳とは明らかに違う雰囲気が、遠くはなれていても伝わってきた。

札内ジャンクションピークを下部でトラバースし、そこから、さらに2㎞ほど進んだナメワッカ分岐手前の鞍部がイグルー2泊目のビバーク地となった。
到着時はまだ日も高かったこともあり、イグルーを作る前に、シュラフなど濡れた装備を乾かした。それから、イグルー作りに取りかかったが、昨日よりも雪の状態が悪く、積雪上部は雪ではなく氷になり、固くてスコップやノコギリがなかなか入らない。さらに掘り進めると、思っていたより積雪が浅く、直ぐにハイマツやダケカンバが顔を出してしまった。

結局、早くビバーク地に着いたのだが、イグルー作りに時間が掛かりすぎてしまい、屋根は携帯していたテント等で塞ぐことでなんとか寝床にすることができた。
この先、イグルー作りも試行錯誤が必要となりそうだ。
幸いだったのは、夜は風が穏やかだったこと。おかげで昨晩よりも熟睡ができたように思う。

4日目(縦走3日目)は朝から険しい岩稜が続くため、今日までのようにスノーシューで比較的スムーズに進むことが困難となる。毎晩、床に着きながら、翌日のルートを地図で確認するのだが、明日は間違えなく、縦走前半で一番の難所が続く1日となりそうだ。
緊張と不安に抱かれて短い夜は過ぎていった。

(※)3百名山の神威岳とは違う山です。

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 この日記に書かれている場所はこの辺りです