夕張山地スキー縦走2日目…最難所
2021.04.06
2日目の朝、美しくまぶしい日の出と夫婦岩の上にかかった消えかけていく三日月に高揚感を覚えた。
3人用にもなる大きなイグルーの中で朝食を済ませ、荷造りをした。7時過ぎ、すっかり明るくなった空の下、芦別岳(あしべつだけ)へ向けて、縦走再開。標高が上がるにつれて、険しさも増しだした。
標高1400m付近から早くもスキーを担ぎ、固くなった雪面にスキーブーツを蹴り込み登る。そして、目の前には槍ヶ岳を彷彿とさせる芦別岳がそびえた。
行く手には雪から顔を出した岩稜帯となり、グイグイと標高を上げていく。
もちろん、そこを何度も雪の深みに足をとられながら登って行くことになるのだが、その険しさに大きく深呼吸し、集中力を高めた。結果、標高差200mに1時間以上もかかってしまった。
この区間がこの縦走で一番の難所。それだけ慎重になっていた。
山頂直下にスキーを残し、最後の登りへ。
山頂まで気の抜けない登りは続き、計画よりも1時間半も遅く、13時芦別岳山頂に到着した。
それでも、昨年の暑寒別岳以来。約5ヶ月ぶりに登頂数を増やすことができた。
ようやく、登り繋いできた旅の針が動き出した瞬間だった。
山頂からは広大な富良野盆地と故郷麓郷が一望。その奥には高々と噴煙を上げる十勝岳連峰や真っ白な大雪山系も見える。振り返ると、縦走路の先に、次なる目的地、白く輝く夕張岳が見えていた。まだ、かなり距離がある印象だ。
縦走は始まったばかり、全行程の1/3にも満たない。急ぎ下り、スキーを再び装着し、縦走再開。芦別岳との別れを惜しむ間もなく、遅れを取り戻すべく進み続けた。
しかし、気温の上昇により、雪面が溶けて、重いストップスノーとなり、スキーの速度を上げることがなかなかできない。結局、1日の行動時間を17時まで伸ばしたものの、この日の目的地から6キロ以上も手前で2日目行動を終了することとなった。
休まず日没を覚悟してのイグルー作り。昨日の反省を生かし、2泊目は長方形で作ることにした。しかし、日中の暖かさの影響により雪が緩み、30センチ以上掘ってもなかなかしっかりした圧雪ブロックを切り出せない。そのため、想定以上に時間がかかり、結局完成した頃には、19時30分を回っていた。
改めて、イグルー作りは効率良く、短時間での制作が求められることを痛感した。
2日間のイグルー作りに約6時間。手首が腱鞘炎にもなるわけだ。
夕食を食べ終えたのは21時。明日は遅れを取り戻すべく6時の出発予定。起床は4時を予定している。
睡眠時間は減るが、これも初めての夕張山地スキー縦走を無事乗り切るために必要な判断だ。
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