日記

284座目への一歩
2020.11.14

暑寒別岳(しょかんべつだけ)を登るために長く過ごした増毛町(ましけちょう)を発つ日が来た。酒田市を旅立ってから、一つの地で、登山の機会を待つために滞在した時間としては最長だ。
少し寂しさと名残惜しさがあったが、廃線となった増毛駅に立ち、この地を次の山への始発駅とした。

もう数日早く増毛町に到着していたら、ここまでの時間を有することはなかったが、11月に入ったとたん、荒天が続き、北海道の冬の始まりの厳しさを存分に味わうことになった。
2017年11月から12月に北海道で初冬のトレーニングした時以来、改めてこの時期の登山の難しさを体感できた。

暑寒別岳の山頂で「今年はここで登り納めだ~!」と雄叫びを上げたが、九分九厘そうなりそうだ。ということは、次の山は来年になるということだ。しかし、この地から284座目への一歩が始まることには変わりはない。
実家のある富良野へと向かう一歩ではなく、284座目への「一歩」だということを忘れてはならない。
激しく吹き付ける冷たい潮風に耐えながら、まずは160キロ先の実家へと歩を進めた。

 この日記に書かれている場所はこの辺りです