日記

安堵の下山
2020.11.13

昨日の朝とは違う朝。空が明るくなるころに起床し、歯を磨いて洗顔、朝食の準備に取り掛かった。朝食を済ませた後は、ラジオを聴きながら食後のお茶をすすった。
ゆっくりするのは町まで下りてから。出発のために荷物をまとめ、3日間お世話になった避難小屋の整理整頓と掃除をする。
当たり前のことではあるが「利用する前よりもきれいに!」がモットーだ。年内の利用者は、もしかしたら今日が最後だろう。来年また最初の登山者が気持ちよく利用できるようにと、忘れ物確認や火元の確認、戸締りと最後まで入念にした。
こうした無人の避難小屋は、長い間維持管理してくださる方々の力もあるが、利用者の利用の仕方による影響も大きい。利用者が次の利用者へと「利用する前よりもきれいに!」をバトンしていくことが大切だ。

誰もいない小屋へ「3日間お世話になりました。ありがとうございました。」と一礼し、スノーシューを履いて、大分溶けた2日前の踏み跡を麓へとたどった。
3時間後、増毛町内まで無事に下山すると、2日前は一面の雪だったのが、全て溶けてしまっていた。極寒の暑寒別岳山頂と比べたら、日差しが暖かく、別世界だ。とても不思議な感じだった。

お世話になった町役場へ立ち寄り、無事の下山とお礼を伝え、宿泊先へと戻った。
3日ぶりのお風呂がとっても気持ちよく、緊張の糸が切れ、ベッドに横たわり、いつのまにか寝てしまった。
夕食後、一時は「登らせてもらえないかも…登れないかもしれない」と不安を抱えながら歩く場面もあったが、本当に「登らせてもらえてよかった」と深く達成感をかみしめた。

 この日記に書かれている場所はこの辺りです