連続するトンネル約7キロ
2020.10.10
狩場山登山から一夜明け、昨日の腹痛はすっかり回復した。朝食もしっかりといただき、宿の方々に「気をつけて行ってらっしゃい」と笑顔で見送られ出発。
穏やかな日本海を眺めながらのんびりと行きたいところだが、今日の行程前半は、連続する長いトンネル歩きからとなった。
このあたりは平成5年の奥尻島沖地震で、海岸線が津波により大きな影響を受けたエリア。元の国道が今の国道よりも海よりにわずかに残るのを時々目にしながら、トンネルを一つまた一つと歩き続けた。
長いトンネルの距離は合計約6.7キロ。短いトンネルも加えると1日で約7キロもトンネル区間があった。この日の移動距離が22キロなので、3割はトンネルとなる。
トンネルを抜けた磯にできた大きな甌穴(おうけつ)を観賞しながら、昨日山頂で食べるはずだったカレー味のイカめしを頬張った。ムラサキウニと少し戯れ、島牧村(しままきむら)の宿泊先へと急いだ。
まだ午後3時過ぎだったが、日が山の後ろになり、夕方のような雰囲気だ。
とその時、民家の裏山からガサガサガサと音が聞こえ、見上げると一頭のヒグマが慌てた様子で山を登っていた。民家のすぐ裏手まで熊が出てきていることを目の当たりにした瞬間だった。
宿に到着しご夫妻に話すと、「このあたりは最近よくでるんですよ、去年は国道を歩いていて騒ぎにもなったんです。」と言った。
今年の道内は、ヒグマの餌となる木の実が各地で凶作、不作となっていると聞く。この先の山や人里離れた峠道、林道を行くときは、これまで以上に気をつけなくてはならない。
そのあとは、バランスのよい美味しい料理に心奪われながら、心地のよい海辺のペンションにて一夜を過ごした。