変わる見え方
2020.10.07
森町(もりまち)の町長選挙真っ最中、出発前から外ではウグイス嬢の声が響いていた。
外は快晴。森町の中心部から周囲200キロはありそうな大きな噴火湾沿いを行く国道5号線に合流した。北海道新幹線のトンネル工事に関連する大型トラックがせわしなく行き交う中を八雲町(やくもちょう)へと歩く。
本来ならもう少し静かで、海の音を聴きながら、気持ちよく歩けるはずなのだが…。歩行者がいてもお構いなしにスピードを出す車両に、恐怖心はなかなか消えなかった。通り過ぎていく車の音や風圧が、本州ではなかなか体感しないレベルであり、北海道では日常なのだ。交通事故数日本一なのも納得してしまう。
時々振り返り見る駒ヶ岳は少しずつ遠くなり、その姿はすっかり変わって、どっしりとした双耳峰となっていた。それを見て、これまで長く記憶していた駒ヶ岳の姿がこれだったことを思い出した。
昼過ぎに八雲町へ入り、中心部までまだ距離を残していたが、海辺へ出て森町名物のイカめしを頬張った。久しぶりにいただくイカめしは美味しかった。
5年前に室蘭から森町へと内浦湾を横断した日が懐かしく思い出された。