予報が外れ…
2020.10.06
駒ヶ岳への出発の朝、昨日はくっきりと部屋から見えていた剣ヶ峰が見えない。空はどんよりとし、雲が低い。あれ?天気予報では今日の方がいいはずなのだが。
この時期の北海道は、大陸からの寒気を伴った高気圧に包まれるため、時雨(しぐれ)となることが多々ある。それでも、晴れ間が多いのだが。今日はどうなるだろう。
本格的な天候回復はお昼頃からの予報。回復を信じ、一路、登山口を目指した。
活火山の駒ヶ岳は、5年前と同様に標高900メートルの馬の背までしか立ち入りが許されていない。理由は火山活動が活発なためである。久しぶりに本当の山頂に立てない山となる。
六合目の登山口からわずか1時間ほどのコースタイム、距離は2キロしかない。ということは、車道で山の半分まで登ってしまえるのだ。
カラ松林の中を徐々に標高を上げていくと、少しずつ眼下の景色が見渡せるようになっていく。先日歩いた小沼大沼を一望。遠く函館方面は雨が降っているようだ。
周りの地質も少しずつ変わり、ゴロゴロとした溶岩質な石や岩が露出し始めた。
カラ松林といえば、「落葉キノコ」。ナメコのように少しぬるぬるとしている。カラ松の落ち葉の下から、食べ頃のキノコがかわいく頭を出していた。(注:このあたりは国定公園内と私有地のため採集や立ち入りは禁止されています。)
登山口には、出発から2時間で到着。10時から登り始めたが、上空の雲は多いままだ。1時間前の雨雲レーダーには、雨雲は出ていなかったので、そのままゆっくり登った。しかし、雲は厚くなるばかり、30分程で馬の背直下、あと標高差50メートルの地点で、カラ松を風除けにしながら、雲が晴れるのを待つことにした。
下山の時間を考えてると待てるのは2時間。午後1時までが限度と判断した。なぜなら、駒ヶ岳の登山は9時から15時までと決められているからだ。
11時過ぎ、依然として状況は変わらず。それどころか、ポツポツと雨が降り始めた。雨雲レーダーをみると、登山開始前にはなかった雨雲が発生していた。さらに、断続的に雨雲が流れてくる感じとなった。30分程雨が降り、少しの間止んで、再び30分降るような感じとなり、傘を差してカラ松の陰に立ちながら雨が止むのを待ち続けた。
12時半過ぎ、雨雲レーダー通りに雨が止み、ようやく剣ヶ峰が顔を出してくれた。急ぎ足で馬の背へと登った。そして、馬の背から、間近でそそり立つ駒ヶ岳最高峰の剣ヶ峰を見上げることができた。昨日、麓から見た青空に際立つ姿とは行かなかったが、5年前とは明らかに違う景色となった。
待っていると隣の第二峰砂原岳も見ることができた。眼下には太平洋を行くフェリーの姿も。30分足らずの時間だったが、再び雲が厚くなったため、下山を開始した。
下山後、森町中心部へと歩いていると、少しずつ山頂にかかる雲が取れて、剣ヶ峰や山の姿が変わっていくことに気がついた。
今日だけではなく数日かけて、ゆっくりと駒ヶ岳の様々な姿を見ることができた。改めて山は本当に様々な表情を見せてくれることを実感することになった。
ちなみに、1640年の大噴火により、山頂部が崩壊し、岩屑(がんせつ)なだれが発生したそうだ。その噴火前の姿は富士山のような円錐型で、標高は1700メートルもあったという。
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