助けられない
2020.09.12
昨日の白神岳~十二湖コースでの疲労が残る中、追い討ちをかけるように、朝から強い風雨となった。
この疲れを一気に回復させるために、「黄金崎不老ふ死温泉」へと立ち寄った。目の前に日本海が広がる海岸に露天風呂があり、ロケーションは最高だ。
潮風に当たりながら、赤茶けた湯で身体を癒やした。これで不老不死になれたかは定かではないが、リフレッシュ出来たことに間違えはない。
入浴後、宿へ向かう道中、道路脇に飛べなくなった一羽のツバメを見つけた。僕の姿を見て、バタバタと羽を激しく動かしながら逃げ惑っていた。ケガをしていることは明らかだが、どこかがわからない。
素手で直接ふれないように手にグローブをはめて、優しく包み込んだ。出血はない、羽も折れてはいないようだが、よく見るとあるべきものがなかった。それはツバメ特有の燕尾が折れて無くなっていた。原因は分からないが、辺りをみても折れた燕尾は見当たらない。
ツバメのことは詳しくはわからないが、高速で飛ぶためには無くてはならないことだけは想像できた。
手の中で大人しくジッとするツバメはほのかに温かく。初めて手に取るツバメのつぶらな瞳と目が合い、愛おしくて仕方がなかった。しかし、自分にはどうすることも出来ない現実。悩みに悩んで、結局、松の根元にそっと置くことしか出来なかった。
皆さんならどうするだろう。