風のヨーキ
2020.08.05
夜中、朧月で外はうっすらと明るい。
寝始めは心地よい音色だった風鈴も風が強くなると「リンリンリンリンリンリン…」と少し賑やかしい音となり、気になってしまい結局、木から取り外した。
再び静かになり、テントの中でゴロリ、二度寝を味わった。
それから3時間後、外が明るくなり、小鳥が朝を告げた。久しぶりのテントの中で、いい朝だと伸びをしていると「カァーカァーカァー」とカラスが雰囲気を崩した。
管理棟で朝風呂に入り、目を覚まして朝食の支度をする。
朝の炊飯も失敗…。結局、雑炊になった。お腹に入ってしまえば一緒、気を取り直し片付けをして、少しずつ暑くなるキャンプ場を8時半に出発した。
まず目指したのは、種山(たねやま)高原最高峰の物見山。ちょうど南部藩と伊達藩の境界だったことも、山名に由来しているのだろう。山頂にある聞き慣れないモナドノックス(残丘)という岩に座り、宮沢賢治さんのように静かに眺めた。
山を駆け上ってくる風音、動植物の息づかいなど、いろんな自然の息吹を感じて、あの風の又三郎が生まれたのだろうか。
「自分は自然から何を感じたいのか」
言葉には言い表せない時間がそこにはきっとあるような気がしていた。
林業が盛んで、東日本大震災の時は、陸前高田や大船渡の復興基地となったという住田の街に、夕方到着。この日もしっかりと焼けた。