6%の坂じりじりと
2020.07.25
霧雨の朝、お世話になった宿を出発。
小安峡(おやすきょう)のもう一つの名所「不動滝」に立ち寄った。
雨で水量が増えたため、いつもより激しくなっていると地元の方が教えてくれた。火山活動の影響で、不動滝から上流の岩盤が硬くなり、水の力では削られず、それよりも下流では柔らかいため、斧で大地を切り裂いたような小安峡が生まれたという。落差があり迫力満点だ。
そこから小一時間ほど歩き、奥小安峡の秘湯にも立ち寄った。昨日に続き、朝昼晩と温泉のはしごだ。ここから、今日の目的地須川高原(すかわこうげん)までは15キロほど。少しゆとりがあるため、空いた露天風呂でのんびりくつろいだ。
再び歩き出すと直ぐに、温泉で火照った体からは大量の汗が流れた。
宮城県へと抜ける国道は、しっかり整備された峠道だ。斜度は奥小安峡温泉から、長らく6%の斜度が続いた。昨日のように軽快には走れなかったため、歩きに徹した。
斜度はほとんど変わらずに、大きく蛇行を繰り返しながら、じりじりと標高を上げていく。4連休のためたくさんの車が宮城県方面から下りてきた。
須川高原へと続く県道に合流すると、道は狭くなり、宿まではあと9キロとなった。標高1000メートルまでさらに細かい蛇行を繰り返して、上っていく。
1000メートルを超えると蒸し暑さは無くなり、高原らしい景色が広がった。須川湖を過ぎると雲の下に栗駒山がうっすらと見えた。振り返ると、明るくなる西の空に鳥海山が見えた。あまりにも形が富士山に似ているため、一瞬見間違えかと思ってしまった。
明日の予報次第だが、望むコンディションで登れることを期待しながら、5年ぶりに強酸性のみょうばん緑ばん泉、で1日の疲れを鳥海山を眺めながら癒やした。