本格始動
2020.01.06
天気予報通りに、朝から冬型の気圧配置の影響で、強風と雪が舞う朝となった。昨年末、七ヶ岳(ななつがたけ)を登ってから2週間ほど、正月休みを挟み、ようやく本格始動となる。
目指す磐梯山(ばんだいさん)は低い雲に包まれて、全く見えない。今日の目的は、磐梯山登頂ではなく、初めての冬の磐梯山へ登るために雪の状態の確認とトレースをつけることだ。灌木帯を抜ける標高までは登りたいと考えていた。
なかなかオープンが出来ないスキー場から、20センチほど降り積もったゲレンデ内を登っていく。見上げる磐梯山は相変わらず、全く見えない。
1時間程でリフト頂上に到着した。そこから登山道に合流し、狭く急な斜面を登る。掘れた登山道には、雪が積もりやすく、深い場所では50センチほどとなった。それでも、予想よりは少なかったが、雪で倒れた灌木が行く手を遮り、森林限界となった標高1500メートルまで登るのに1時間以上かかってしまった。
磐梯山は別名会津富士とも言われ、会津盆地から見ると、富士山のように円錐状になっているため、山頂が近づくにつれて傾斜は急になる。山頂まで標高差300メートルの地点までで下見を終え、磐梯山を回り込む風雪が強さを増していたため、早々にスキー場へと引き返した。
下見の目的は十分に達成した。あとは明日の天気がどうなるかが気がかりだ。
夕食後、翌日の天気は晴れのち曇り、西日本から緩やかに天気は下り坂となるが、東北地方は夕方から本格的に雨が降るとなっていた。天気の崩れが早ければ、裏磐梯への下山をあきらめて、往復コースにする考えもあったが、活火山の冬の磐梯山を裏と表、両方の表情を見たい思いが強かったこともあり、予定通りに裏磐梯へ下山することにした。そう判断できたのも、今日の下見で得た経験があったからこそだ。
この旅での経験から、初冬、厳冬、残雪とそれぞれの時期、さまざまコンディションの雪山への対処方法など、挑み方や心構えが少しずつ培われてきたようだ。