冬至に御神楽岳
2019.12.22
245座目となる御神楽岳(みかぐらだけ)へと続く林道を夜明け前から歩いていた。登山口は林道入り口から約8キロ先となる。
本来ならば深い雪に覆われた道のりになるのだろうと想像力を膨らませながら歩く。熊が出てきそうな雰囲気はあるが、さすがに冬眠に入っただろう。出発から2時間ほどで登山口に到着した。
雪はほとんどないまま、2キロほど沢に沿って登っていく。4年前に下山してきたルートなのだが、正直あまり記憶には残っていない…。暑さと阿賀町(あがまち)側からの険しい岩尾根を登ってきたからだろう。
豪快な八乙女の滝(やおとめのたき)を高巻きしてさらに奥へ奥へと、沢をいくつか越えながら、標高を600メートルまで上げていく。そこからは杉山ヶ崎までは350メートルの急登が始まる。
尾根には全く雪がなく、杉山ヶ崎まではコースタイムの半分ほどで到着した。
標高950メートルを超えて、ようやく雪がしっかりと尾根につきはじめ、スノーシューの出番となった。
1100メートル付近の熊打場の鎖場をよじ登ると、雲の間から日が差し込み始めた。すでに雪囲いを終えた避難小屋を過ぎると、緩んでいた雪がしっかりとしまり、昨晩降り積もった新雪が日差しを浴びてキラキラと輝いていた。
思わず「降りたての雪はきれいだな~」とこぼれた。歩きやすくなったことで、サクサクと御神楽岳へと登頂した。
山頂からは本峰へと続く吊り尾根が見え、気分もグッと上がった。ここから本峰まではちょっとの間、新潟県となる。これで本当に新潟県は最後となる。
気分良く吊り尾根を歩き、30分ほどで、4年ぶりの御神楽岳に登頂した。眼下には「下越の谷川岳」と言われる、岩肌が露出した深い谷間と、4年に登ってきた岩尾根が見える。目線を遠くに向ければ、日一日と白さが増していく飯豊山(いいでさん)が良く見えた。
只見町を出るときに年内の飯豊山縦走は断念した。そのため、ほんの少しプレッシャーから解放された感じがあった。
山頂は、しばらくして雲に包まれてしまったため、ランチは避難小屋まで下りてきてから、ブナの大木の下で、静かな時間を過ごした。もう少しのんびりしたいところだったが、今日は冬至。1年で一番日が短いため、日がくれるのも早い。
下山は慎重かつ脇目を振らずに。林道はできるだけ走った。
そして、夕暮れの本名(ほんな)駅前の宿へと無事に帰ってきた。きっと例年通りの積雪量があれば、1泊2日になっていたかもしれない。今年の雪不足に今日も助けられた。
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