明日のための今日
2019.12.15
4泊お世話になった大白川の民宿を7時に出発。
浅草岳登山口近くの宿までは6キロほどだが、朝早く出たのには、理由がある。それは、明日のための下見をするからだ。
243座目となる浅草岳は初めて登る上に、今いる新潟県側から浅草岳を越えて、福島県只見町へと下山していくため、雪のコンディション次第ではかなり時間がかかる可能性もあると考えていた。降雪は少しあったが、1450メートル付近まで、下見をすることを決めていた。
浅草岳の標高が1585メートルだから、1450メートルまで登ったのなら登頂できそうだが、守門岳(すもんだけ)でも学んだ「明日ための今日」という考えで、たとえ天気が回復したとしても、登頂は翌日と決めていた。
宿の方に伺ってもやはり雪は少ないという。
守門岳と違い、緩やかに広げた裾野を登っていく感じだ。
誰かが歩いた跡が残る登山道を行く。積雪は少なかったが、早めにスノーシューを履いて進んだ。1時間ほどで、ようやく最後の沢を渡り、長い尾根へと取りついた。
天気は回復の兆しが全くない。雪のコンディションはまちまちで、標高が上がっても、状況が良くなるとは限らないと感じていた。
途中、歩きやすい所があったため、1200メートル位で引き換えそうかとも考えたが、やはり予定の所まで登ろうと考え直した。なぜなら、新雪がある程度増えてきたからだ。
また、ラッセルが必要なくとも、踏み跡があることで、翌日にあまり考えずに、サクサク登っていけるからだ。
宿を出発から4時間で、1450メートルに予定通りに到着できた。
明日、快晴のもと、ここから見渡す光景が、目に浮かんだ。
2時間で下山して、お風呂で体を温めて、しっかりと夕食をいただき、翌日に備えて早めに就寝した。
新潟県最後の夜は静かにふけていった。
明日の朝を迎えるのが、今からワクワクした。