あぶらげ!?
2019.12.11
長岡市と合併したことで、地図から名前が消えちゃったと聞いた栃尾市(とちおし)を8時過ぎに出発。昨日に続いて、朝から快晴で日中は気温も高くなる予報だ。12月に3日間晴天に恵まれるのは、珍しいそうだ。
市内を流れる刈谷田川(かりやたがわ)沿いを歩いていると、いい匂いがしてきた。
大きな建物から湯気が上がり、何かを作っている工場のようだ。なんだろーとちょっと進むと「栃尾のあぶらげ」と赤い暖簾が目に留まった。
あぶらげ!?油揚げなら知っているけど。何だろうと覗くと8時から営業中とあり、店内は誰もいないがカウンター席があって、その場で食べることができる感じた。
「すいませ~ん」と大きな声で呼ぶと、ちょっと遅れて、白衣に白い帽子をかぶった男性が顔を出して、「はい!何枚?揚げたて?」と忙しそうに聞いてきた。
「はい!1枚お願いします。」というと、再び扉を閉めて奥へと戻った。そして、白いトレイに湯気を上げて、香ばしい大きな油揚げが登場した。それをまな板に乗せて6当分に切り、鰹節をかけて、生姜を脇に乗せて「はい!どうぞ。200円です。お好みで醤油をかけて。」と手渡してくれた。
あぶらげについて少し伺うと、いわゆる油揚げのことで、方言でなまって栃尾では「あぶらげ」と言っているそうだ。大きさは日本一とも。大きな油揚げが誕生した理由には諸説あるようだが、有力なのは市内にある火伏せの神様「秋葉神社」があり、江戸時代には近隣だけではなく、遠方からも多くの参詣者がいた。そのため、当時の神官さんが、江戸の豆腐屋で修行した方に何か特別なお土産をつくってほしいとお願いした話から、この大きな油揚げが誕生したという。
熱々のあぶらげに醤油をさっとかけて、生姜をつけて、頬張った。熱くてハフハフしながらも噛むとカリカリといい咀嚼音が店内に響いた。そして、旨い!一度は揚げたてを食べていただきたい♪
おやつがわりにもよさそうなあぶらげでさらにお腹を満たし、魚沼市(うおぬまし)へ峠道となる国道を歩いた。
昼過ぎ、峠のトンネルを抜けると積雪が増えて、やっぱり県内有数の豪雪地域だと感じた。
40日ぶりの魚沼市、守門岳(すもんだけ)の登山口となる大白川集落へ、只見(ただみ)線最終列車が大白川駅を出発する頃に到着した。
今年の4月に入った新潟県とももうすぐさよならとなる。