二王子岳
2019.11.10
春は三寒四温というが、この時期は五寒二温という感じだろう。
今日、予報では晴れだが、昨日よりは気温はグッと下がった感じがする。飯豊連峰ではきっと雪が降ったであろう寒さだ。
日曜日の新発田(しばた)市内の住宅街を抜けて、4年ぶりとなる二王子岳(にのうじだけ)を目指した。
4年前は奥胎内ヒュッテより、36度の猛暑の中を36キロ走り、その勢いのまま駆け上がった。下山後に滝に打たれて体を冷やしたのが懐かしい。
今回は前回よりも季節は進み、晩秋と初冬の二王子岳となる。
登山口の二王子神社までは宿から15キロ、往復だけでも30キロはあり、登山道をいれると、40キロ近くなる。前回ほどではないが、のんびりと歩いていると日が暮れてしまう距離だ。そのため、出発からなるべく走った。
9時過ぎに登山口に到着。二王子神社にて、4年ぶりに二王子岳へ登山をさせていただく挨拶をした。そして、9時半に出発をした。
二王子岳は山頂までの間に、一王子、三王子とあるが順番通りではない。自分で、大昔の神々の世継ぎ話を想像して、話ながら登った。
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この地を守護していた神が、自分の息子3人の神々に山を登り、最初に山頂にたどり着いた神を跡継ぎとするといった。長男の一王子は生まれつき病弱ではあったが、秀才であり、心優しかった。
次男の二王子は剛力で体が強く、たくましく、兄を慕っていた。
三男の三王子は二人の兄を見て育ち、要領が良く、賢く、物怖じしない度胸があった。
当日は祭事となり、近くの神々もたくさん集まり、大いに盛り上がった。日が昇るとともにスタート。勢い良く飛び出したのは、二王子と三王子、一王子は杖をつきながらも、ゆっくりと自分のペースで登る。
二王子は慕う兄の分もと言う気持ちから、弟には負けるわけにはいかなかった。三王子は兄に勝つチャンスがきっとあると、後先考えずに二王子を追った。
しかし、山頂が見えてきた辺りから、ジリジリと離されて、気づけば二王子の背中は遥か彼方へと消えていた。
実は二王子はとてつもなく速かったのだ。あっという間に駆け上がり、山頂に立つと、鐘を鳴らして登頂を麓の神々に知らせた。
下り始めると、三王子は途中で精魂尽きて、座り込んでいた。
二王子は駆け寄り、三王子を背負い、一王子の兄の元へと走った。すると大分下ではあったが、まだ杖をつきながらゆっくりゆっくり登る一王子がいた。
その姿を見た二王子と三王子は涙し、お互いの健闘を称えあった。
そして、三人は父や神々の元へと仲良く帰ったのだ。
ということで、山は二王子の名がついたが、山中に一王子神社、三王子神社が置かれたのだ。
(注:陽希さんの作り話です)
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という感じの話をしながら、実際に一王子神社、三王子神社を経由して、2時間ちょっとで山頂へと到着した。
山頂付近の灌木には霧氷がつき、二王子岳にももうすぐ本格的な冬が来ることを告げていた。さらに山頂には多数の登山者がいて、30人以上はいたかと思う。久しぶりに賑わう山頂に拍手で迎えられた。そして、向かいの飯豊連峰は雲に包まれていたが、雲の間からは雪が見えていた。明らかに雪が降ったような感じだ。
二王子岳山頂も上空の太陽が遮られて、なかなかの寒さだった。
避難小屋にて、ちょっと休憩した後は、宿へと戻るべく、登山口へと駆け降りた。登山者が減っていく季節だが、週末の天気が良くなれば、まだまだ登りに来る人も多くいる。地元の人に季節を通して、愛されていると感じた。
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