ただいま♪
2019.11.06
佐渡島を旅立つ朝がきた。昨晩の予報で、朝まで雨が残るとあった。予報通りに出発1時間前まで、降り続いていたが、出発30分前には小雨となり、7時の出発に合わせるようにピタリと雨が上がった。
風は往路よりは少し強め、波も高めだが、北西寄りとなり、追い風追い波となる。弱いながらも向かい風向かい波で6時間半だったことから、復路は1時間は早くなると予測ができていた。海峡後半で風波が強く大きくなってきたり、方角が変わってきたりしてしまうと、スムーズに本土を目指すことができなくなる可能性もある。
予報では今日一日、海上の大きな変化はない。それを信じて静かな赤泊港から地元の方々に見送っていただき、「お世話になりました!ありがとうございました!」と笑顔で手を振って、勢い良く漕ぎ出した。
港から出て、進路を一度西へとった。理由はなるべく真後ろから風を受けたかったからだ。1キロほど進路から外れて、ほどよいところで、寺泊へと本格的に進んだ。
狙い通りに、追い風追い波の力を借りて、少ない力で適度に波乗りをしながら、スピードアップすることができた。
しかし、3時間ほど経った頃から、懸念していたことが実際のこととなり、真西からの波と風が強くなった。真後ろからではなく右斜め後ろからの風と波の向きに、微妙なコントールとパワーが必要となって、スムーズには進めなくなった。
再び風が弱まり、いいサイズの波になることを信じながら集中力を切らさずに漕ぎ続けた。
1時間ほど我慢が続いていると、霞んでいた寺泊の景色が徐々にはっきりとし、いつの間にか進路からそれていることに気づいた。どうやら、右斜めの風波に乗っていたことで、流されていたようだ。
結局、風と波の向きに変化はなく、そのまま我慢を続け、5時間が経過した。
最後の30分は海も浅くなり、波は大きくなったが、もう寺泊の町もしっかりと見えて、予想通りに5時間半で到着できると確信となった。
後半は面倒くさい波風となったが、無事に今年一番の難関となった佐渡島往復を笑顔で終えることができた。今振り返っても、この5日間は奇跡的ともいえる好条件に恵まれた。
上陸後は、公園でシーカヤックの道具を片付けて、サポートのチームメンバーに今回もみなかみ町へと持ち帰ってもらった。
別れた後は、燕市までさらに15キロ走った。
冬はもうすぐそこまできているため、佐渡島の余韻に浸っている暇はない。
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