初たらい舟
2019.11.05
佐渡島3日目の朝は少しだけ肌寒い、小佐渡を越えれば赤泊(あかどまり)までは20キロほどだったが、小木を経由するルートを選んだ。
理由はたらい舟に乗ってみたかったからだ。
500円で10分程乗れるらしいのだが、その間にお客さんも漕がせてもらえるそうで、女性の船頭さんに上手く漕げていると認めていただけたら、「たらい舟操縦士海技免状」をいただけるという。
ラフティングガイドとしてのプライドにかけて、なんとしても上手く漕いで見せると気合い十分だった。
小木港に到着し、早速たらい舟乗り場へと向かった。他のお客さんが乗っている光景を見ながら、船頭さんが巧みに櫂(かい)をコントールしている姿を目に焼き付けて、イメージはバッチリだ。
さっと腹ごしらえをしてから、いざ初のたらい舟へと乗った。見たもよりも安定感があった。最初の10メートルほどは船頭さんに漕いでもらったが、直ぐに代わってもらい、自分のイメージで櫂を握り、一漕ぎした。漕いで直ぐに、先程までの自信はあっという間に崩れた。
独特な力の入れ具合、櫂の形状、船頭さんからの説明を聞き、全く新しい感覚だった。クルクルと回ってしまったり、風に流されたりと翻弄された。一瞬これは免状をいただくのはかなり難しいかもしれないと諦めかけてしまった。
しかし、少しずつ感覚が分かってきて、終了前最後の10メートルでようやく、はっきりと感覚をつかんだが、時すでに遅し、そのまま着岸して終了となった。
ゲットできなかっただろうと思っていたら、船頭さんから合格のカードをいただいた。
やってみる前は、これは簡単だと思っていた自分が恥ずかしかった。自分が思い描いたようにはいかなかったが、200円の手数料を払って苦笑いで免状をいただいた。
今の感覚が無くならない内にもう一度乗ろうかと真剣に悩んだが、そうしている内に、観光バスの団体様が来てしまい、再チャレンジは次回へと持ち越しとなった。
国道を除く都道府県道の中で日本一長い県道を赤泊まで走った。
こうしてあっという間の3日間ではあったが、内容が濃く充実した時間を過ごせ、納得いく佐渡島での旅となった。