日記

思い出がつまった谷川連峰主稜線
2019.10.17

翌朝、昨晩のニュースで冷え込む予報が出ていた通りとなったが、太陽は朝からしっかりと山を暖めてくれていた。
肩の小屋の温度計は2度、表の椅子やテーブルは霜が張っていた。自分にとって今年初霜となった。

昨年の今日は北アルプスに雪が降った日、一昨日は北海道の故郷の山も真っ白になったときいていた。まだ意識したくはないが、冬は着実に近づいてきているようだ。
朝焼けに染まる谷川連峰主稜線、ここを肩の小屋より歩くのは5年ぶりとなる。初めて踏み入れたのは、みなかみ町に住むようになって1年目、土合から谷川岳へと登リ、仙ノ倉山まで縦走し、往復する予定だったが、万太郎山までの見た目以上のアップダウンと、険しさに、大障子ノ頭で引き返した時から、始まっている。

その後、体力や経験を付けて一人で縦走できるようになり、カッパグラブの同僚たちと1泊2日で平標山まで縦走したり、チームトレーニングで夜間縦走をしたりと、馬蹄形を縦走するよりも多く、主稜線を歩いた記憶がある。

肩の小屋から平標山までの間には、雪に潰されないように小さく頑丈で独特な形をしている金属製の避難小屋が4つある。中には大人2人が寝たら、それ以上入れないサイズの避難小屋も。同僚2人と3人で寒い寒いと言いながら泊まった避難小屋も健在だった。

谷川岳から万太郎山までの前半は、100~200メートルの細かいアップダウンが続き、万太郎山から仙ノ倉山はドカンと400メートルほど下り、仙ノ倉山へと400メートルほど登る。どちらも体力勝負だ。
仙ノ倉山を越えると、それまでの険しいが幻だったような、気持ちいい稜線が平標山へと続いて、主稜線は最後となる。まさに頑張って縦走してきた者だけが感じるご褒美だ。

オジカ沢の頭~小障子~大障子~万太郎山へと順調に縦走し、みなかみ町の銘菓「仙ノ倉万太郎まんじゅう」を食べて、エネルギー補給。万太郎山からの下りで、仙ノ倉山は雲に包まれてしまったが、エビス大黒の頭への急登を頑張ったためか、仙ノ倉山へと登る途中から、雲が晴れて大きな顔を出してくれた。
そして、11時前に無事登頂。ここでももちろん、仙ノ倉万太郎まんじゅうを食べた。

山頂で谷川連峰主稜線が全て見えるまで待ってみたが、結局雲は増え続けた。
あきらめて、平標山へと続く大好きな稜線を歩き、生まれた年の数字と同じ1983メートルの平標山へと登頂して、主稜線の縦走、そして、群馬県の山も最後となった。

山の家にて挨拶をして、苗場へと下山した。
思い出がたくさんつまった山は、他の山とはやっぱり違う感覚がある。

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