日記

谷川連峰馬蹄形後半
2019.10.16

台風19号は各地に大きな影響を与えた。今朝のニュースでも、徐々に細かい情報が明らかとなっているが、まだまだ全容解明とは言えない状況のようだ。胸は痛むが自分は前へ進むだけ。6日ぶりに晴天となった清水集落から、谷川連峰馬蹄形後半を縦走するべく出発した。

やはり、1週間前よりも山から水が溢れていた。しかし、危険な状況ではなかったため、靴は濡れたが、再び清水峠へと尾根を登っていくことができた。
視界が開けると、谷川連峰の山々は1週間前よりも紅葉が進み、穏やかな表情を見せていた。

出発から2時間で清水峠に到着。そこから谷川岳はまだ雲の中ではあったが、武能岳(ぶのうだけ)までの笹原のたおやかな稜線は、太陽をサンサンと浴びていた。
七ツ小屋山(ななつごややま)へと登リ、そこから先は馬蹄形で一番歩くのが気持ちいい稜線となる。4年前に建て替えられた蓬(よもぎ)ヒュッテを通過し、武能岳へと登った。
武能岳から茂倉岳までは、風向きが変わったことで、雲が湧き、あっという間に辺りは真っ白となった。茂倉岳にて、休憩をしながら、馬蹄形最後の谷川岳までの稜線が晴れてくるのを待った。

待つこと1時間。徐々に新潟県側の雲が晴れ、振り返ると一面の雲海となっていた。その流れで、谷川岳や一ノ倉岳も雲海から頭を出してくれた。
雲海に突き出る谷川岳の耳を、茂倉岳から初めて見ることができた。その景色に「いやー格好いい」と言葉がこぼれた。
しばらくその景色を眺めて、しっかりと雲が晴れてから、一ノ倉岳へと進み、1000メートルの大岩壁を見下ろせる「のぞき」から一ノ倉沢を眺めた。
そこから、谷川岳最高峰のオキの耳へと登リ、まずは片耳。そして、少し下り登ってトマの耳へ、224座目谷川岳登頂となった。

第二の故郷みなかみ町から見上げる谷川岳はトマの耳が高く見えるが実際はオキの耳よりも14メートルも低いのだ。
茂倉岳での1時間以上待ったため、5年ぶりにお世話になる肩の小屋に、16時すぎの到着となってしまった。肩の小屋は紅葉シーズンのため、予想よりも多くの登山者で賑わっていた。
小屋の女将さんに温かく迎えてられ、5年前の記憶を思い出しながら、明日歩く谷川連峰の主稜線に沈む夕陽を眺め、久しぶりの馬蹄形縦走を無事に終えた。

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 この日記に書かれている場所はこの辺りです