日記

これまでで一番の巻機山
2019.10.10

朝からの快晴。223座目「巻機山(まきはたやま)」は何度も登っている山だが、空を見上げ、これまでで一番のコンディションとなる予感がした。天候がいいため、割引山へと続く、途中沢登りがある熟練者コースから、巻機山を目指そうかと考えたが、予定外のルート変更は怪我のリスクが高まる可能性もあったため、いつもの尾根コースから登ることにした。

平日ではあったが、すでに登山口の駐車場には、かなりの数の車が停まっていた。その数から、少なくとも100人近くの登山者が巻機山へ登っていることが予想できた。
一年で一番の魅力を発揮するであろう今日の巻機山。平日でも晴天となれば、たくさんの登山者でにぎわうのも納得ができる。

遅めの8時から登リ始めたため、1合~2合~3合~と標高を上げていくと、先に出発した登山者に追いつき、どんどん抜かしていく。5合目から6合目の間には、太さや間隔が均一の美しいブナ林が登山道の左側に広がる。このブナ林はいつ登っても、必ず記憶に残る。

6合目に着くと、迫力のヌクビ沢と大きな天狗岩に圧倒され、7合目からは紅葉の灌木帯の中を登リ、8合目を過ぎると森林限界を抜けて、視界が開けた。
見上げる山頂は、ニセ巻機山であり、初めての登山者はよく巻機山山頂と勘違いしてしまう。

9合目のニセ巻機山を登りきると、想像していなかった景色が迎えてくれた。
初めて登った時も、巻機山の山頂がどんな景色か知らずにこの瞬間を迎えたため、驚き興奮したのを覚えている。そして今回も!これまでで一番のコンディションと金色に染まる女性のような優しい山容に「わぁーお!」と感嘆の声が出た。

そこからはペースを落として、ゆっくりと進みながら、見逃しがないように歩く。山頂へと続く木道や山頂稜線にはたくさんの登山者の姿が見えた。そして、間もなくして山頂へと立った。

今回は、これまで山頂まで来て、その先に続く山へと足を進めたことはなかったが、あまりの気持ちいい日和に、自然と足が進んだ。牛ヶ岳(うしがだけ)への道のりも見事な景色、頂上からは越後三山が目前に見えた。
再び巻機山へと戻り、朝日岳へ続く登山道のジャンクションにて、コーヒーを飲みながらランチタイム。麓からもよく見える円錐形の割引岳へも足を初めて延ばした。
割引岳と書いて、ワレメキダケと読むそうだ。

山頂からは、青々とした笹原が広がる巻機山と牛ヶ岳が見えたのだが、印象ががらりと変わり、若々しく隆々とした山に見えた。
巻機山の分岐へと戻り、自分でもこんなにも山頂稜線でゆっくりするとは思っていなかったほど、大興奮大満足の巻機山に魅了されていた。
こんなにもいい1日に巡り会えるのも、この2年登リ続けているが、そう多くはないだろう。

下山は7合目で落とし物を拾ったため、勢いよく駆け下りながら、先行く登山者に落とし物かと聞いて走った。ギリギリで駐車場にいた、帰る直前の登山者の中に落とし主を見つけることができて、いい気分で宿へと帰った。

夕食時、天気予報では台風19号が観測史上最大クラスになり、広範囲に大きな影響を与えることを警戒心強く伝えていた。
谷川岳の肩の小屋にて、台風の通過を待つことにしていたが、それを取り止めて、清水集落の宿でとどまることを決めた。

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