秋晴の内に
2019.09.27
当初のスケジュールでは、今日は御池(みいけ)を越えて、平ヶ岳(ひらがたけ)登山口近くの山小屋までの舗装路歩きで終わる予定だった。しかし、台風の接近に伴う影響で、燧ヶ岳(ひうちがたけ)へ登る予定の日が雨になる可能性があったためスケジュールを変更。少しタフな1日になるが、御池から燧ヶ岳へと登り、再び御池へと戻って、平ヶ岳の登山口の山小屋へと向かうことにした。
昨日と同じような素晴らしい秋晴となったタイミングを逃すわけにはいかなかった。元々は燧ヶ岳から尾瀬沼へと下山して、尾瀬ヶ原へ入るコースを計画していたが、それは次の機会に、ということにした。
今回燧ヶ岳へのルートで一番優先したかったのは、5年前に御池側へと下山した時に、熊沢田代から見た景色。あの湿原と池塘の間を抜けていく木道と、その先にそびえる燧ヶ岳をもう一度見たかったからだ。遠くから見ると、燧ヶ岳への4つの登山道の中で、一番たおやかに登って行くように見える御池ルートだが、やはり見るのと登るのでは全く違う。
七入(なないり)から旧御池街道のブナ林を抜けて、御池のバスターミナルへと登り、支度を整えてから、登山口を出発。大小の岩がゴロゴロと顔を出した急な登山道を登って行くと、最初の田代(広沢田代)に出る。見上げると、まだ燧ヶ岳は見えず、明らかに急な登山道になる山壁が見えた。たおやかさは無く、大きな階段をよじ登っていくような感じだ。
そして、昨日よりも暑さを感じながら、もう一段登りきると、ようやく目的の熊沢田代が広がった。そして、その先には新たな山壁、燧ヶ岳がそびえていた。
熊沢田代の草紅葉とそこを抜ける優しい風、木道が一直線に燧ヶ岳へと延びている。この日を逃さずタフな1日になってでも登ってきて正解だったと強く思った。
再度、最後の山壁を登りきると、一つ目の山頂俎嵓(まないたぐら)へと登頂。4つの登山道からそれぞれ登ってきた登山者で賑わっていた。
祠に手を合わせ、最高地点の柴安嵓(しばやすぐら)へと一度下りて登り返し、5年ぶりに登頂した。東北北海道で最高峰の燧ヶ岳山頂からは、これも5年振りとなる尾瀬ヶ原の眺望に感動した。
昼まで山頂で、コーヒーを飲みながらゆっくりと過ごした。
そして、再び御池へと1時間程で下山した。
下山の時に熊沢田代からもう一度振り返り、にこやかに前へと向きなおした。
御池でキノコ蕎麦と牛丼でしっかりとエネルギ補給をしてから、舗装路を新潟県側へと走った。
あと3日で禁漁となる只見川(ただみがわ)を越えて、久しぶりの新潟県に入った。平ヶ岳や釣り人にとってとてもありがたい清四郎小屋(せいしろうごや)がこの日の宿となった。
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