猿田彦大神にお導きをいただいて
2019.09.14
猛暑の関東平野100キロを歩き、2日間の厳しい縦走を終えた疲労は、さすがに一晩では回復しなかった。それでも、朝風呂で目を覚まし、エナジードリンクをクイッと飲み、1時間遅れではあったが、皇海山(すかいさん)へ向けて力強く歩き出した。
まずは昨日下山してきた林道をせっせと上る。
谷間から見上げる空は青空だ。予定変更により、今回のルートは男体山を開山した勝道上人(しょうどうしょうにん)が修行された修験の山、庚申山(こうしんざん)、鋸山(のこぎりやま)を経由して、皇海山へと縦走する。下山は同じルートをたどり、再び銀山平に戻ってくる。
庚申山や皇海山などの山々は、古くから猿田彦大神様が守ってきた山と聞いた。旧猿田彦神社が消失してしまったため、ご神体は庚申山荘内にお祀りされている。庚申山、鋸山、皇海山へと登るためには、猿田彦大神のお導きをいただいて、修験者は登っていたことも聞いた。
それに習い、一の鳥居を通り、たくさんの丁石や言い伝えが残る鏡石や仁王門に歴史を感じながら、庚申山荘へと到着。中に入り「これから庚申山、鋸山を通り、皇海山へと登らせていただきます。猿田彦大神様のお導きをよろしくお願いいたします。
今日という1日をありがとうございます。」と手を合わせてお伝えし、まずは庚申山を登った。
山頂までの道のりは、想像以上に険しく、鎖場やハシゴがかかる行場を思われる岩場が続く。薄っすら霧が立ち込める中、勝道上人修験の地や初の門、一の門、胎内くぐりなどを登った。
庚申山山頂はそれまでとはがらりと変わり、穏やかな灌木の中にあった。山頂を過ぎると、雲が晴れて足尾山塊の山々や日光の山々が顔を出した。
鋸山への道のりは、この日一番緊張する場面となる。崩れやすい岩壁を、長い鎖とロープを頼りに、何度も登り下りを繰り返した。
下山も同じルートとなるため、まだまだは気は抜けない。予定よりも時間がかかったが、鋸山まで無事に登頂し、群馬県側からの登山道と合流、山頂までの最後の登りを駆け上がった。なんとか青空がなくなる前に210座目皇海山に5年ぶりに登頂した。
「皇海山の山頂はブルースカイ♪」と叫ぶことができた。
下山は、予定よりも1時間ほどスケジュールが遅れていたため、集中しながらも慎重に、立ち止まることは最小限にして、4時間ほどで銀山平に到着した。
もちろん、庚申山荘の猿田彦大神様に、「お導きありがとうございました。」としっかりと伝えた。
休養を返上しての皇海山登山だったが、とても充実した1日となった。
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