日記

200座目
2019.08.26

ここまで長かった。昨年の10月下旬、大天井岳(おてんしょうだけ)にて100座目となってから約10ヶ月。様々なことで、予定通りに旅を進められないことがあったが、100座目から200座目へと登る今日まで、怪我なく無事に歩き続けることができた。
200座目は雲取山(くもとりやま)、標高が2017メートルということで、2017年にたくさんの人が登ったことは記憶に新しい。

今回の登山ルートは、初めて雲取山を登った時と同じ、山梨県側からの七ツ石山を経由するルートを選んだ。朝こそは少し晴れ間もあったが、今日も秋雨前線停滞により、不安定な天気となる予報だ。
10年以上前に登ったルートのため、微かな記憶をたどるように、杉林の中を抜けていく。

曇り空の影響もあるが、林の中は薄暗い。黙々と歩き続けていると、興味深い看板に気付いた。新しそうな、しっかりとした看板には「平将門迷走ルート」とあった。
どうやら、今歩いているルートは平将門が逃げのびてきた道だった。当時のことが言い伝えとして残っていたのだろうか、七ツ石山を越えた先まで、物語のように続いていた。

登山口からの中間点になる七ツ石山は、登らずに迂回できるのだが、物語が気になってしまい登った。しかし、その事により七ツ石山の由来を知ることができた。家臣が将門を追手の手から逃すため、身代りになろうとした。しかし直前に妻が目の前で自害したショックから、これ以上命を失いたくないと、家臣を守るために藁人形を作らせて、追手の目を誤魔化したそうだ。追手が将門と思われる藁人形を弓で射ったことで、家臣の藁人形が岩に化身したことから、七ツ石山と呼ばれるようになったそうだ。

七ツ石山を越えたところから、雨が降りだした。
夏休みとはいっても、お盆は終わり、平日の不安定な天気のため、登山者はほとんどいなかった。
静かな雲取山へ、懐かしい防火帯沿いの登山道を登り続け、百名山の旅以来となる5年ぶりの雲取山へ登頂した。

5年前は遠くに富士山も見えたが、今回は厚い雲に包まれてしまった。しかし、200座という大台にたどり着けたことの喜びで十分だった。
間もなくして、強く雨が降り出した。避難小屋で昼御飯を食べながら、雨が落ち着くのを待つことにした。1時間ほど待ったが、晴れることはなく、小雨の中を三条の湯へと下った。

三条の湯はいつか泊まってみたいと思っていた山小屋。それが叶うこととなった。薪ストーブに火が入った部屋で、濡れたものを乾かし、肌触りのよく、薪の匂いが落ち着く温泉にて、200座目までたどり着けた喜びを噛み締めた。
そして、明日からは早速終盤となる201座目へと登っていく。残りが100座となり、寂しさがあるように思うかもしれないが、一切無かった。それよりもようやく、現実的な数字になった感じだった。
あと100座。過去二回のチャレンジと同じ数字だ。さぁ、どんどん登って行くぞ~!

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