中央アルプス縦走1日目
2019.06.14
中央アルプス縦走の朝がやって来た。天候を考慮し、宝剣山荘での2日間の停滞を加えた5泊6日のスケジュールだ。初日の朝としては申し分のない空模様。
登山口までは12キロ、ズシリと重いバックパックを背負い歩いた。登山口の手前で里宮と思われる駒ヶ岳神社を参拝。なんと、1300年前に全国の修験道を行脚していた役行者も木曽駒ヶ岳(伊那の人たちは西駒ヶ岳という)へと登っており、その時に一握りの蕎麦の実を麓に住む人々に与えたという。そのことが、信濃の国への修験道の広まりと共に、蕎麦の実も広げ、今の信州そばがあると歴史の解説があった。信州そばの起源が役行者にあったことは驚きだった。
今回は桂木場(かつらこば)登山口から木曽駒ヶ岳を目指す。ロープウェイが出来るまでは、ここが主要な登山道であったそうだ。しかし、ロープウェイが出来たことで、この登山口から木曽駒ヶ岳を目指す登山者はかなり減ったと聞く。
馬返しまでは、傾斜は緩く何度も折り返しながら、少しずつ標高を上げ、ちりめん坂を登っていく。馬返しからは尾根道となり、胸つき八丁からは、急斜面が続き、主稜線に出る前の七合目でヘロヘロになっていた。
補給を済ませて森林限界を抜けると、別世界が広がった。花こう岩特有の大小の岩がハイマツの山肌から顔を出していた。そして、久しぶりに見る木曽駒ヶ岳がドンと迎えてくれた。
西駒山荘へのトラバース道は残雪のため、通行止めとなっていた。将棋が強くなりそうな名前の将棊頭山(しょうぎがしらやま)を登りきると、南アルプスのパノラマと雪化粧の富士山がちょっとだけ顔を出していた。
予想よりも雪が多く残っていた馬の背へと進み、少しずつ標高を上げて、午後2時に木曽駒ヶ岳登頂した。最後はさすがにバテ気味だったが、登頂の直前に雲が流れて、5年ぶりに山頂からの景色を拝むことができた。山頂には伊那側と木曽側それぞれの神社が山頂に建てられていて、両方参拝し、登頂させていただけたことへの感謝を伝えた。
5年ぶりだったが、前回よりも、きちんと木曽駒ヶ岳(西駒ヶ岳)を登ることができた一日だったと思う。
ちなみに木曽駒ヶ岳は花の百名山でもあり、道中にコイワカガミ、キバナシャクナゲ、ミヤマダイコンソウなと、6種類の高山植物にも会うことができ、中央アルプス縦走1日目としてはいいスタートを切ることができた。
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