奇跡的に規制解除
2019.04.21
焼山は本来火山活動のために、登ることができない山だった。しかし、昨年末に入山規制が解除され、数年ぶりに登山が可能となった。
いつまた規制がかかり、登れなくなってしまうかわからないだけに、この機会を逃すわけにはいかなかった。しかし、火打山との間には、積雪期に通過が極めて困難になる胴抜ヶ切戸(どうぬけがきれっと)があるため、火打山からは引き返し、雨飾山方面から登るしかなかった。
金山と裏金山の間に作った雪洞を壊して出発、朝のラジオの天気予報では、午後から山間部で雨との予報が出ていたとおり、朝から空は重たい雲に覆われていた。
出発が予定よりも1時間ほど遅くなっていたが、サクサクと進み、2時間後には焼山の山頂に立っていた。山頂から少し東に下ったところには、噴煙を上げる火口がある。さらに切戸(きれっと)の方に目を向けると、予想以上に鋭くとがった胴抜ヶ切戸が見えた。
それが、急斜面となり、とても今の自分では登れる技術がないと判断し、富士見峠から、真川へと下る谷へと下りて、笹ヶ峰へ下山することにコースを変更した。
谷間は雪がまだまだ多く、この日は気温も低かったため、雪崩のリスクも低いと判断し、一気に滑り降りた。
標高が下がると、谷間のスノーブリッジが落ちてしまっていて、登り返しを余儀なくしたが、それでも下りはじめから2時間ほどで、安心できる場所まで下山する事ができた。
林道に出てからは、集中力が切れたことで、どっと出た疲れと、連日スキーブーツを履き続けたため、指の痛みで気が遠退きながらなんとか、笹ヶ峰へとたどり着いた。
翌日に備えて、足のケアをしっかりして、野性動物にびくびくしながらも眠りについた。
今思い返しても、焼山から見た切戸の雪庇は鋭かった。
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