日記

米山さんへ
2019.04.08

妙高戸隠連山(みょうこうとがくしれんざん)国立公園の山々の雪が落ち着くまでの間に、米山(よねやま)へと糸魚川(いといがわ)から向かってきた。予定を変更して、先に登ることにしたのだ。
米山を開山したのは、あの白山を開山した泰澄大師(たいちょうだいし)という。日本海からすっと突き出た山頂は、とても目立ち、1000メートルに届かない山とは思えない姿だ。地図を見てもわかるように山頂から東西南北に尾根が延び、四角錘のようだ。

ほぼ海抜ゼロメートルの宿から出発、山頂にある日本三大薬師の一つ、米山薬師への参道でもある柿崎コースから登り、大平コースへと下山するルートを選んだ。当初は逆だったが、前日に地元の山岳会の方々から、米山の由来についてや見所、歴史などの解説をいただき、ルートを変更した。

地元の方々からは、「米山さん」と親しみを込めて呼ばれてきたという。
元々は五輪山と呼ばれていたが、修行のために山にこもった泰澄大師のお弟子さんが、米を運ぶ船に、米を少し分けてほしいとお願いしたところ、無下にされたため、「それでは船の米全ていただきましょう」と唱えたところ、今の米山へ米が飛んでいったという言い伝えから、米山となったそうだ。
長い間、地元の方々にとって、生活の一部となり、大切にされていることが、話を伺いながら伝わってきた。

古道の入口となる密蔵院にて、登拝の挨拶をしてから登り始め、山桜や野花、今年初の蝶を見て、麓の春の進みを感じ、ドンドンと標高を上げた。
三十三観音に出会い、標高が700メートルを越えるとグッと雪が多くなった。それでも、今年の米山は例年の4分の1ほどと聞く。山に入ってしまうと、山頂は近づくほどに見えなくなり、気付いたら山頂が目の前だったという感じで登頂してしまった。

米山薬師へ真っ先に向かい、挨拶と登頂のお礼を伝えてから、昼食をとった。
360度見渡す限りの展望で、うっすらと佐渡島、金北山(きんぽくさん)が見え、思った以上に近くて驚いた。
弓なりに見える新潟県の海岸線と佐渡島、そして眼下の町。足元に迫ってくるような距離に海が見えて、米山が海から一気に空へと突き上げていることを実感した。
さぁ~雲の中の山々は落ち着いてくれているだろうか。時間稼ぎのための141座目となったが、この時間がいい結果をもたらしてくれるかは、結局はこの先の天気次第だ。

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