日記

いざ難関のあの山へ
2019.03.26

4年前、大笠山より往復7時間以上の藪こぎを続けて、初めて登頂した記憶はしっかりと刻まれている。山頂にて、「もう2度と来たくない…」と溢した。その山へ再び明日登る。実はあの言葉には続きがあり「もし、次来るときは雪があるときに」と言っていた。
それが今回実際のことになるのだ。

猿ヶ馬場山から下山して、翌朝には再び山へと向かった。笈ヶ岳(おいずるがだけ)へは2泊3日の行程、他の2座とは比べ物にならならないほどの重装備を背負って、登山口となるホワイトロードの料金所へと向かった。

今回のルートは、白川村から三方岩岳(さんぽういわだけ)へと登り、両白山地(りょうはくさんち)の主稜線を縦走、国見山に雪洞を掘り1泊。2日目は国見山から縦走を続け、笈ヶ岳へと登頂する。このルートを往復し、2泊目も国見山の雪洞とし、3日目に白川村へと下山する。
当初の予定は違っていて、下山は石川県側と考えていた。しかし、先月末に石川県側のホワイトロードに土砂崩れが発生したため、下山先を変更することになったのだ。

8時、3百名山の三方岩岳へと続く急登が始まった。3日分の食料を背負う。今年になって一番重い装備になっているため、序盤から大量の汗をかいた。
標高が上がるにつれて、見渡せる景色もどんどん広がっていく。振り返れば北アルプスが遠くに見え、見上げれば、飛騨岩や主稜線の荒々しい斜面が迫ってくる感じだ。
3時間ほどで、懐かしい三方岩岳へと到着。山頂から見る白山は半年前とは明らかに別人だ。そして、先を見ると、目的の笈ヶ岳、懐かしい大笠山が目に写る。

宿泊地の国見山は、どっしりとしていて、そこまでの縦走はリラックスして歩いていくことができそうな雰囲気だ。展望台にて、昼食をとり、国見山へと向かった。
12時半に宿泊予定地の国見山に到着。雪洞を掘る時間が必要なため、行動時間を14時までと決めていたが、先の主稜線を見ると、稜線が細くなっていたため、雪洞を掘れる場所を探す手間がありそうだったこともあり、少し早いが予定通り国見山を宿泊地とした。

翌朝に雪洞から、朝日が昇る北アルプスを見たかったため、少し標高の高い東向の斜面に掘ることにした。時間もたっぷりあったため、3時間かけて立派な雪洞を掘った。
日が暮れる頃には、内側から入り口を、スノーブロックで塞ぎ、ほぼ密室となった。ラジオの天気予報に耳を傾けながら、翌日に備えた。

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 この日記に書かれている場所はこの辺りです