日記

富士山は見えるか!?
2019.02.21

早朝4時半、枕元で3回目の目覚ましがなる。
久しぶりの早起きで、なかなか布団の中でうずくまった状態から起き上がれない。4回目が鳴り、風呂へと直行し、温泉につかりながら目を覚ました。
5時過ぎ、まだ真っ暗な中を出発した。
箱根外輪山の中は霧雨が降っていた。
その状況に、「おや!?まさか…」と思わずにはいられなかった。
ヘッドライトを点灯し、5時40分に登山口を出発した。
40分後には金時山山頂に到着。しかし、状況はさらに厳しくなり、濃い霧と雨が降っていた。
当然のように富士山は全く見えない。それどころか、日ノ出の時間を過ぎても、薄暗く、箱根山や眼下の町も見えない。

2日目も山頂で富士山が見えるのを待つ決心をしていると、入れ替わり立ち替わり、夜明け前から登られてきた地元の方々がやってきた。その姿は登山者というよりも、長靴に杖と空荷で、散歩のような格好だ。
「おはよう!今日はいつもよりも遅いね♪」
「今日は〇〇さんは来てたかい!?」と二言三言の会話をしては、
「それじゃまた明日」と数分の滞在で下山されていくではないか。
数人の方に話を伺うと、まさに毎日の日課、健康のために散歩登山という感じのようだ。それぞれに目標の登頂回数があり、中には5000回を超える方も。金剛山も登頂回数ではいつも話題になるが、あちらはロープウェイがあり、金時山にはない。どの登山口からも自力で登って来なくてはいけない。

1年に必ず300日登り続けて10年目になる女性や84歳で毎日登り続けているおばあさんまで、他にももう間もなく4000回や5000回になるというおじさんも。共通していることは、日課なので、富士山が出ていようといまいと、それほど気を止めないということだった。

話をしていると、実は皆さん僕が金時山にはすでに登ってしまったと思っていたそうで、今日は「まさか!?」という感じだったようだ。また、一昨年のグレートトラバース3出発前の番組放送で、金時山が地元の人たちに親しまれ、たくさんの人が登られてきた山だと紹介されて「地元の人たちと一緒に登れたらいいですね♪」とコメントしたようで、金時山に登る前には、地元に連絡があり、一緒に登れるとばかり思っていたという。
僕は旅の流れの中で、偶然一緒に登れたらという感じだっただけに、誤解を招くことになってしまい、その話を聞いたときは申し訳ない気持ちで一杯だった。
そのあとは皆さんいつもように、それぞれに下山し、山頂は一人と5匹の猫だけとなった。

結局2時間待ったが、富士山は見えなかった。しかし、雨は上がり、下山後に向かう箱根山はすでに見えていた。
箱根山は現在も火山活動が激しいため、全ての登山道は閉鎖され、大涌谷までの車道のみが、9時から17時まで通行可能となっているだけだ。したがって、桜島の御岳と同じく、車道で登り、大涌谷を現時点での最高地点とするしかなかった。
今後、規制レベルが下がり登山が可能となれば、富士山を登ったあとに登りに来ることになるかもしれない。運よく登れることになったら、山に感謝をしようと思い、箱根峠を越えて、熱海へと駆け下りた。

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