隠し隠されて
2019.02.08
榛名山(はるなさん)から一気に浅間隠山(あさまかくしやま)の麓、浅間隠温泉郷まで歩き進んだ。浅間隠山への登山情報を確認するために、東吾妻町(ひがしあがつままち)役場へ問い合わせると、予想外の言葉が返ってきた。「東吾妻側からの登山道は、4月まで閉山中です。」という内容だった。詳しく知るために「雪山装備をしっかりとしての登山も禁止ということですか?」と聞くと、「いかなる理由があっても登山禁止となっています。」とのことだった。
ただし、高崎市の二度上峠(にどあげとうげ)側からの登山道は通年登山が可能という確認が取れた。浅間隠温泉郷の反対側へ回り込んでからの登山となると、登山口まででも1日かかる距離だった。
どうにか山を越える方法がないかと、地図やネットで探した。すると昔の栗平峠(くりだいらとうげ)を越える道があることが分かり、役場に問い合わせると、すでに廃道になっているが、入山禁止にはなっていないということで、大幅な短縮が可能となった。
谷底に積もった雪に足をとられながら、栗平峠を越え、北軽井沢へと一度下山し、車道で二度上峠を越えて、午後2時にようやく登山口に到着した。
その間、浅間隠山で隠れていた浅間山はどっしりとした姿を表し、逆に浅間隠山は他の山々に隠されてしまい、浅間隠山を隠す山は「浅間隠隠山」だと冗談を言った。
昨日の暖かさから一転して、一気に冷え込んだため、頭上の木々は、午後になっても霧氷が付いたままだった。
東吾妻側から登り、隠されていた浅間山がどーんと姿を表す光景に出会いたかったが、想定外の展開でも十分に楽しむことができた。横から浅間山と浅間隠山が並んでいる姿を見ると、大きさの違いに驚き、と同時に山は見る場所が違えば、麓に住む人々が持つ印象も変わるのだと思った。本当に山は不思議だ。
南からみる浅間隠山は富士山のように、どの山にも隠されずに、凛々しくそびえて見えた。
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