日記

赤城山から榛名山へ
2019.02.05

前日の暖かさから一転して、いつもの寒さが戻った。大沼の氷もガリンガリンに。
今年は降雪が少なく、風が強い日が多いことから、珍しく氷の表面が雪に覆われていない場所が多いという。表面が磨かれたようにテカテカしていていることから、油氷ともいうそうだ。

そのおかげで、氷の神秘にも触れることができた。それはアイスバブルだ。
アイスバブルとは、沼の底の腐葉土が出すメタンガスが浮いてきて、氷の中に大小様々な大きさの気泡をつくる。氷の中に閉じ込められたメタンガスは、氷が成長するのに合わせて、少しずつ表面に近づくため、動いているようにも見える。とても不思議な現象だ。
また、氷の厚さは30センチ以上あるにも関わらず、氷が動く音が、氷の下で反響し、イルカのコミュニケーションのような奇妙な音をたてていた。
初めての人はきっと氷が割れる音ではないかと思うはずだ。
僕もその一人だった。

油氷の興奮がおさまってから、赤城山(あかぎさん)を下りた。
どこまでも続くような、裾野を利根川までかけ降りる。少しずつ赤城山は遠退き、榛名山(はるなさん)が近づいてくる。赤城山に比べ、麓は春の陽気だった。あまりの別世界に、身も心も緊張感はゆるむ。
利根川を境に、再び登りが始まった。平地はわずか、間髪いれずに榛名山への登山が始まったのだ。この日は、カッパクラブの社員旅行で初めて訪れた伊香保温泉まで、標高は750メートルほど、利根川を0合目とすれば、五合目位だろうか。

平地も下りもない道のりを時折振り返り、赤城山を眺めては登った。
伊香保温泉は群馬県を代表する名湯の一つ、昔ながらの情緒も残す石段を登り、宿へと滑り込んだ。
赤城山下山の勢いそのままに、榛名山登山1日目は終わった。

 この日記に書かれている場所はこの辺りです