日記

本格的な雪山
2019.01.30

3月中旬までに北陸へ戻るために、旅の総距離は延びるが、1月は福島県まで北上し、冬でも比較的アプローチがしやすく、山中停滞の可能性が低い山を選んで、南下していくことを計画した。今年は例年よりも降雪が少なく、多い年には3メートルも積もるという大滝根山(おおたきねやま)も、30センチほどだった。

しかし、一昨日偵察に途中まで登った高原山(たかはらやま)は、標高も高く、山腹にはスキー場もあり、少ないといえど、立派な雪山だ。
初めて登る山な上に、季節が厳冬期ということで、緊張感は自然と高まる。
不安を少しでも減らすために、時間はかかるが偵察登山をしたのだ。

中一日、山が荒れたため、麓の宿で準備を整える時間ができた。夜が明ける前、宿の愛犬に見送られ、出発した。
まずは、八方ヶ原(はっぽうがはら)まで舗装道路で標高を上げる。少しずつ明るくなり、天気予報通りの、無風快晴となった。偵察登山をしたとき以上のコンディションになる予感だ。

前日の荒天により、偵察登山をしたときの、踏みあとはきれいに消えていた。コンディションはいいがタフな1日になる予感がする。
5月にはキレイなツツジが咲き乱れる大間々台(おおままだい)に着くと、展望台からは那須岳方面の山々がきれいに見えた。

八海山神社へと、さらに登っていくと、ようやく高原山最高峰の釈迦ヶ岳(しゃかがだけ)が見えてきた。そして、剣ヶ峰からは、偵察登山でも足を踏み入れなかったエリアとなる。
釈迦ヶ岳へと続く稜線は、所々狭くなり大きな雪庇(せっぴ)ができていた。
シカが雪庇を踏み抜いた跡があり、野生のシカでもこんなことがあるんだなぁ~と笑ってしまった。シかはカンジキを履くことも出来ないため、深い雪に足を取られながら冬を乗りきるのだからたくましい。

偵察登山をしたからこそ、冬ならではの景色に目を向けたり、感じたりできるゆとりが持てていることを実感していた。
高原山の山頂でランチを考えていたが、やはり標高と傾斜が増すにつれて、なかなか思うようには進めず、体力戦となって、途中の日当たりのいい場所で昼食とした。遠くからはスキー場の音も聞こえてきて、これ以上ない日に高原山へ登れていることに感謝をしていた。

体力も回復し、最後の登りは一気にいくことができた。そして、灌木帯(かんぼくたい)を抜けると、日光や尾瀬、会津の山々が目に飛び込んできた。山頂はまさに春の陽気。釈迦ヶ岳の名前の通り、山頂には御釈迦様が南を眺めながら、鎮座されていた。一礼合掌し、登らせていただいたことのお礼を伝えた。

1時間ほど山頂にいたが、時間はあっという間に過ぎ、鬼怒川温泉までまだ距離があるために、名残惜しくも下山を開始した。雪山の下山はあっという間だ。スノーシューで雪を巻き上げながら、林道までかけ降りた。
夕日を眺めながら、高原山が冬山との向き合い方を少しだけ教えてくれた気がしていた。
ありがとう高原山。

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