古道:法華道から入笠山
2018.11.21
すでに失効している運転免許の手続きをするために、神奈川県へと戻ることになると決まった時、山は一切登らずにとにかく急いで帰るか、それともギリギリまで登りながら帰るかを考えた。
結果は、登りながら帰る。ここまで113座の山を登って来たが、明らかに1年目としては少ない。来年のことを考えれば、少しでも多く登っておきたい気持ちは強い。
今日は114座目の入笠山(にゅうがさやま)へ登る。入笠山へは当初、富士見町側から林道を詰めて山頂を目指そうかと考えていたが、身延山から宣教のために山を越えてきた高僧「日朝上人(にっちょうしょうにん)」が歩かれた「法華道(ほっけどう)」という古道があることを知り、これは面白いと興味が湧いて、高遠町芝平(たかとおまち しびら)から登ることにした。
綺麗な赤松林を登っていくと、所々に歴史を解説する立て看板があり、宣教のための道が時代の流れとともに、武田軍と織田軍の戦で使われたり、参勤交代のために使われたり、生活道として使われたりと、使用の目的が変わっていったことも知ることができた。
標高がさらに上がると、赤松から落葉松へと山は変わり、日朝上人が7日も説教をしたという眺めの良い高座岩を経由して、苔が美しいテイ沢から高層湿原へと登り、静かな湿原を眺めながらランチをした。
大阿原湿原(おおあはらしつげん)から入笠山山頂まではあっという間、初めての山頂からの景色は最高だった。あんなに近かった中央アルプスは遠くなり、あんなに小さかった富士山や八ヶ岳、南アルプスはぐんと近くなった。事前にネットで見ていた山頂からの景色は、やはり自分の目で見た方が一段と感動も大きいと感じた。
当初のルートから急遽変更することになったが、正解だったと思う。冨士見町が出身の撮影スタッフが、「入笠山にこんな場所があったとは初めて知りました。イメージが変わりました。」と言うほどだ。
いい充実感で富士見町へと駆け下りた。
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