日記

木登りのような山登り
2018.10.26

日本には太古から山を神と崇めてきた山が数多くある。3年前、登った有明山も山頂には立派な鳥居とお社があった。鳥居には「有明神社」とあり、奥社にあたるようだ。
そして、麓の本社から参道が続いていている。
山頂には主に3つの参道があり、3年前は一番標高差がなく、コースタイムが短い中房温泉からの裏参道を利用して、山頂を目指した。山頂では地元の方とお会いして、「次回はぜひとも表参道から登ってきてください!」と鳥居の直ぐ下に見下ろすような急な登山道が見えた。思わず「ここを登ってくるんですか!」と驚いたことを覚えている。そして、3年が経ち、今回は表参道から登ろうと決めていた。

中房温泉から、表参道登山口まで、有明山を回り込むように、自動車道で10キロ標高差600メートル以上を下った。
裏参道から登れば、標高差はたった800メートルで済むが、表参道だと、1400メートルにもなる。
今回の旅では数多くの、山自体をご神体とする山に登ってきた、その際に出来る限り表参道から登るべきたと知った。
山の神域に登らせてもらうために、表参道から登るのが大切だと考えるようになった。
だから、有明山へのコースについても、自然な流れとなった。

参道入り口から最初の2時間ほどは、黒川沢を登っていく。表参道だから、裏参道よりは登山道の状態はいいだろうと思っていたが・・・ところがどっこいだ!!
マーキングの数は丁寧すぎるくらいあったが、参道は出発から徐々にアグレッシブとなり、普段からあまり登る人がいない感じがした。沢沿いを歩いたり、高巻きをしたり、岩壁を登ったり、崩落した斜面をロープでトラバースしたりと、バリエーションも豊富だ。
ヘルメットを持ってきてよかったと思うほどだ。

白河滝からはさらに道のりは険しくなり、急斜面をほぼ直登で尾根まで一気に標高を上げていく。あまりの斜度に、四つん這いになりながら、木の根にしがみつくように登っていく。
山を登るというよりも、木登りのような山登りだ。
しかし、水平距離はほとんどないので、どんどん標高が上がり、結果的には予定通りの時間に登頂することができた。

これまで登ってきた数々の表参道で、最も険しいといっても過言ではないだろう。また、3年前は見えなかった、有明山を「信濃富士」と親しんでいる麓の町並みや、表銀座も見ることができた。
そして、3つの山頂、北岳、中岳、南岳まで足を運び、裏参道から下山した。

3年前は裏参道も険しいと感じたが、今回は裏参道が快適な参道に感じた。
あまりに快適だったためか、山頂からたったの50分で下山してしまった。
驚きの表参道だったが、登らなければ分からないことがたくさんあった道のりだった。
最後に、表参道から山頂を目指す人は必ずヘルメットの着用をお勧めします。

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