悩み悩んで
2018.10.18
半分布団を剥いで、寝ていたのは何日ぶりだろうか…。今朝のニュースで直ぐとなりの乗鞍岳が昨年よりも11日遅れで、初冠雪したと報道されていた。
直ぐに槍ヶ岳のライブ映像を見ると、槍ヶ岳山荘も真っ白になっていた。
胸騒ぎがした。
朝食後に穂高連峰の3000メートルを越える山荘に積雪状況を確認した。
やはり、連絡した3つの山荘はともに予想通りの「1から2センチの積雪です」との返答だった。
予報ではさらに明日以降も降るとのことだ。
休養日は一日中、焼岳登頂後のルートで悩むことになった。
これまでの予定ルートは、焼岳→西穂高岳→ジャンダルム→奥穂高岳だったが、コンディションによっては、焼岳→上高地→岳沢→前穂高岳→奥穂高岳に変更も考えていた。
午前中は、登ったことのない、西穂高岳まで登り、その先に進めるかどうかを自分の目で見て確かめようと考えていた。
焦らずじっくりと考えていたが、週間天気予報を見て、さらに悩むことになる。
24日が全国的に雨となる。稜線は確実に雪になると予測した。
焦らず進みたいところだったが、さすがにこの時期の北アルプスはそうはいかないようだ。先のスケジュールも気にせずにはいられない。焦らざるを得ないのだ。それでも最終判断は、夕方の山の天気予報が更新されてからにすることとした。
午後5時、山の天気予報を見ると、明日の午後から稜線は雪となり、翌日の気温は日中も氷点下となっていた。
この予報が決め手となり、「登りたいのと、登れるのは全然違う」と自分自身に言い聞かせた。
特に西穂高岳から奥穂高岳のルートは、これまでに一度も歩いたことがない。コンディションが良いときでさえ、容易く抜けられる訳でもない。北アルプスで、一番リスクが高いルートと位置付けていただけに、慎重を期す必要があった。
一度でも、歩き抜けたことがあれば、不透明なことも減るが、今回が初めて。先はまだまだ長い旅、ここは冷静になり、着実に登れるルートを優先した。
そして、上高地へと一度下りることを決めた。
さすがに、今のコンディションにおいて、自分自身で背負えるだけの「無理」ではない、と判断したことになる。西穂高岳からのルートはまたの機会だ。