待った甲斐があった♪
2018.10.13
停滞から夜が明けると、ものすごく快晴となった。
三俣山荘の女将さんからも「1日待った甲斐がありましたね♪」と声をかけていただいた。
宿泊していた他の登山者も外に出て、興奮気味に目の前の槍ヶ岳や鷲羽岳にカメラを向けている。
長い1日になるため、お腹一杯朝御飯を頂き、山荘の皆さんに見送られて、気持ちよく出発した。
まずは目の前にそびえる90座目の鷲羽岳へ登る。
太陽を浴びてない西斜面は空気がひんやりとしている。朝の気温は-3度と聞いた。鼻が痛く、鼻水が止まらないわけだ。
出発から30分で山頂に到着、全身で太陽を浴びながら、北アルプスの山々を見渡した。
「うわぁ~今日は最高だ!」とこぼれた。
1時間ほど山頂からの景色を眺め、続く91座目の水晶岳へと向かう。
鷲羽岳から水晶岳は目と鼻ほどに見えるが、アップダウンが少ないわりには、谷を回るように登山道が続いているため、水平距離が長い。きっと、ほとんどの登山者は見た目以上に歩くと感じるだろう。
水晶小屋を経由して、黒岳とも呼ばれている水晶岳を目指すと、山頂直下で4年前も岩に層のように含まれている天然の水晶を見つけ興奮していたことを思い出した。
そして、今回も同じ場所で、黒い岩に含まれる白い水晶を見つけた。太陽の光りが反射してキラキラと輝く、今日のような日で良かったと思った。
水晶岳からは裏銀座の野口五郎岳や雲の平がよく見える。黒部ダムを挟んで、立山連峰と後立山連峰も見事な景色だ。
そして、本日3座目の赤牛岳が見えている。
赤牛岳までは、比較的緩やかなアップダウンを繰り返しながら、牛の背中を歩くような感じで、山頂へと歩き続けた。
水晶岳は黒々した岩、赤牛岳は赤みを帯びた花崗岩で形成されている。
眼下の黒部川を挟んで、目の前には一際大きな薬師岳が見える。特別天然記念物となっている3つのカール(※)は美しく、このカールを見る場所として、赤牛岳は最良の場所だろう。
丁度正午に92座目の赤牛岳に登頂した。GPSは三俣山荘から9キロを超えていた。
北アルプスの中心部を貫くような水晶岳から赤牛岳への縦走路は、見た目以上にタフなコースだと、三俣山荘へ戻るために来た道を引き返しながら、ひしひしと感じていた。
再び、本日2度目の水晶岳に登り、鷲羽岳には登らず、黒部川源流に沿って三俣山荘に16時前に到着した。1日の移動距離は18キロを超えていた。
想像以上にタフな1日だったが、充実の1日となった。
※薬師岳のカール(圏谷群)は不明瞭な「北カール」を入れて4つと数えることもあります。
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