旧参詣道を歩いて
2018.09.24
室堂への道のりはケーブルカーとバスを使って登っていくのが一般的。自動車専用道のアルペンルート沿いには、実は旧参詣道(さんけいどう)を利用して室堂へと続く登山道がある。バスを利用して室堂へと登った経験はあるが、この道を歩いたことはなかった。
ルート的には、称名滝(しょうみょうだき)から、奥大日岳に登り、室堂~立山へ向かう方がスムーズだが、バスからの眺めに感動して、いつかは歩いてみたいと思い続けていた。そのため、今回は遠回りになるが、この道を歩こうと決めた。
この日の天気は午後から雨と予報に出ていたが、午前中は青空も広がり、樹齢1000年にもなるタテヤマスギは、雪の重みで個性的な形をしていた。弥陀ヶ原の草紅葉やカエデ、ナナカマド、チングルマなどが、室堂へと続く山々や高原を、色とりどりに飾ってくれた。あまりの心地よさに、弥陀ヶ原では、昼寝をしてしまった。
天狗平は鎖場が連続する一ノ谷の難所を抜けた先に広がっており、途中から曇ってなかなか見えなかった立山の全貌が目に飛び込んできた時は、感動でゾクゾクと全身が身震いをした。これがアルプスのパワーなんだと思う。
室堂に到着すると、それまでほとんど見かけなかった登山者や観光客でにぎわっていた。
立山駅から約20キロ、コースタイム13時間と長丁場ではあるが、標高差2000メートルの季節の変化、景色の変化をじっくりゆっくり味わうことができるコースは、これまで歩いてきた様々な山々で一番かもしれない。
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