なめたらいかん!
2018.08.26
台風一過により、蒸し暑さが戻り、全身汗でずぶ濡れになりながら、白山信仰の入り口の一つ、越前馬場「白山平泉寺(はくさんへいせんじ)」に立ち寄った。
ここは養老元年に泰澄大師(たいちょうだいし)によって開かれ、最盛期には周囲に六千坊八千の僧兵がいたという。当時は一大勢力として平泉寺の名は全国に知れ渡っていたであろう。
そして、今日これから登る経ヶ岳も、ここ平泉寺と深く関わりがあり、経典の入った経筒(きょうづつ)が山頂から見つかったことで、経ヶ岳となったという。
経ヶ岳へは、たくさんの修験者が歩いたという、越前禅定道(えちぜんぜんじょうどう)を経由して、一度林道に出てから、登山口を目指した。
ここ数日の激しい気温の変化に、体調は本調子ではなかったが、明後日には大雨になるために、踏ん張った。
登山口から標高差が700メートル程だったので、比較的楽だろうと、少し油断していた。
しかし、保月山(ほづきやま)への登りで、容易くはないと直ぐに悟る。大昔の火山活動でできた山だけあり、尾根道は険しく、東側が崩れ落ちていた。麓からはわからないが、経ヶ岳へと続く尾根道を歩いていると、紛れもなく大きな噴火口だったことに気が付く。
経ヶ岳への見上げるような急斜面に、「うわ!!あそこを登るの!?」と中岳への緩やかな登山道を歩きながら声が出た。
気力が切れる前に登りきるため、休まず最後の登った。
山頂からは勝山や大野が見え、正面には次の山「荒島岳」、道なき山「野伏ヶ岳」が見えた。
まだ、骨折した手のままで、登るかどうかは決断していなかった。白山は雲に隠れて見えない。1300年の長い歴史の断片に触れる山が目前に迫っていた。
夕日に染まる大野市へと下山した。
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