伏見稲荷
2018.07.28
宿泊した宿が伏見稲荷のすぐそばだったこともあり、京都市内へ向かう前に立ち寄ることにした。
伏見稲荷といえば大小の朱色の鳥居が数え切れないほど参道に建ち並び、独特な世界が広がる神社、全国3万社といわれる稲荷神社の総本社だ。最近ではインスタグラムなどで「インスタばえ」すると話題を呼び、海外からたくさんの観光客が押し寄せる名所となっているそうだ。
数年前とは比べもにならないくらい増え、9割以上が海外からの観光客と聞く。境内のあちらこちらに英語、中国語、韓国語での案内や手書きの張り紙を目にする。
参道沿いの売店の方もここ数年で、稲荷山の歴史や正しい参拝方法などをしっかり理解して、参拝される方が少なくなったと話す。
それでも、参拝にきてくれる人が増えたことはありがたいことでもあると続けた。
鳥居の数にも驚くがそれ以上に塚の数の多さにも驚いた。全国各地の講の方々がそれぞれに塚を建てて、毎年一回は必ず参拝にいらっしゃるという。
本来の伏見稲荷大社の姿から観光地化していく姿に少し違和感を感じながらも、鳥居の中を歩く人々の笑顔は眺めていて心地よかった。
伏見稲荷大社を出た後は、東福寺~京都駅~東寺と巡りながら、嵐山渡月橋を渡った。巡った場所の中で、この日一番胸に響いたのは、東寺の金堂の中に入ったときだ。吸い込まれるような空気を感じ、中の薬師如来や菩薩などの像と目を合わせるだけで、なんともいえない心地よさ、安心感を覚えた。この日一日で一番不思議な時間となった。
これは、ここを訪れた人にしかわからない感覚だと思う。