六甲全山縦走1日目
2018.06.21
雨は上がり、湿気たっぷりの空気が漂う中を出発。
思いが届いたのか雨は止んでくれた。国道2号線、それに並走する2つの鉄道、平日は早朝からせわしない。
今日の午後からは晴れ間が出て、明日は1日を通じて晴れとなる予報となる。
六甲全山縦走のスタートはJR塩屋駅から、ゴールは宝塚駅、全行程56キロ、コースタイムは約18時間と長丁場だ。以前の自分であれは、1日で駆け抜けただろう。しかし、今回は100万ドルの夜景と言われる神戸の夜景を山から見たかったのもあり、一泊二日の予定で行くことにした。
1日目の今日は、塩屋駅から摩耶山(まやさん)まで、地図を見ると前半は激しいアップダウンの連続となりそうだ。
住宅地の狭い道を抜けていく、分岐には必ず「六甲全山縦走」や「六甲全縦」と書かれた標識がある。しかし、気を付けないと見過してしまうこともありそうな感じではある。
最初のピークは旗振山(はたふりやま)(昔は大阪堂島の米相場を加古川や岡山へ、畳一畳分の大きさの旗を振って伝達するための中継地点だった山)、そこから須磨アルプスを抜けるまでは、地元の人が散歩コースのように歩いている姿を多く見かけた。縦走というと山頂と山頂をつなぐ稜線を歩いていくイメージだが、どうも六甲全山縦走路は違うようだ。一つ一つの山頂を登っては、下の住宅地まで下りて、迷路のような住宅地を抜けて、次の山へと入っていく。さらに、一つ住宅地を抜けるごとに、次に登る山の標高は高くなり、ビルドアップしていくような感じで、中間地点となる摩耶山まで登っていく。
一つまた一つと展望のある山頂から、眼下の街並みを眺めると、人々の生活圏が山の奥深くまで入り込んでいたり、山丸ごと宅地開発されていたりしていることが良くわかる。
その中でも、神戸電鉄有馬線が走る丸山の辺りは、その雰囲気が良くわかる。住宅地を抜けながらも道は登ったり下ったりを繰り返す。住民のおじさんに、週末は六甲全山縦走路を歩く人が多いですか?と聞くと、朝からたくさんの人が走ったり、歩いたりしていると教えてくれた。この街ならではの光景なのだろう。
また、この日はとにかく蒸し暑く、この旅始まって以来一番汗をかく1日となった。何本飲料水を購入しただろうか。有難いことに縦走路沿いには、たくさんの自動販売機があり、水は100円で購入できることに驚いた。縦走する人にとっては助かるだろう。
再度山から市ケ原まで下がってから、1日目最後の摩耶山までの450m以上の登り返しは、かなり身体に応えた。稲妻坂と天狗道という激しい登りが2つあり、六甲全山縦走路を実際に歩くまでは、もう少し優しいイメージをしていたが、想像以上のハードワークを実感する1日だった。
摩耶山の展望台となる掬星台(きくせいだい)から、夜景で輝く前の神戸の街を眺め、かなり高いところまで登ってきたことを感じた。宿にチェックインした後は1日の汗を流し、夕食をしっかり食べてエネルギー補給した後は、再び掬星台へ向かった。日本を代表する100万ドルの夜景を見に行くために。
さすがデートスポット、梅雨の晴れ間に夜景を楽しむために、たくさんのカップルがそれぞれの場所で、光り輝く神戸の街を眺めていた。
すこし遠慮がちに僕も端の方で、静かに神戸の夜景を目に焼き付けた。カップルたちの中に一人で長居はちと寂しい(笑)。
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