最高の縦走路
2018.05.20
吉野川沿いの大豊町豊永から、京柱峠へと続く国道をたんたんと走り続けた。
谷間に差し込む日差しが、登山コンディションが良いことを感じさせてくれた。弘法大師さんも越えたという品格のある京柱峠(きょうばしらとうげ)に9時過ぎに到着し、今日から四国最後の縦走へと踏み出した。
一日目は、京柱峠から小檜曽山(こびそやま)を経由して、矢筈峠(やはずとうげ)へ下りて、綱附森(つなつけもり)、地蔵頭を登りお亀岩避難小屋までのコースタイム約10時間を歩く。ゆったりとした稜線もあれば、ロープ場があるような急登もあり、一日目からアップダウンが続く。しかし、展望が広がる場所が多く、次々と変化する景色を楽しみながら歩くことができた。
この日のクライマックスはいきなり一番最初に来てしまった。
このルート歩くのは初めてだったのもあるが、想像以上の景色に驚くことになった。小檜曽山に登ると、山頂手前から一面のミヤマクマザサが広がり、入り交じるミツバツツジが満開をむかえており、矢筈山へと続く稜線では、鼻唄混じりでスキップを刻みながら歩きたくなるような、素晴らしい世界が広がっていた。まさに桃源郷とも言えよう。
当初の予定では東祖谷から天狗峠を経由して三嶺(みうね)~剣山(つるぎさん)へと縦走する計画だったが、四国前半の石鎚山系~赤石山系を歩いたことにより、四国の山を縦走することの魅力に虜になってしまったようで、三嶺~剣山への縦走も、少しでも長く歩きたいと考え直したのだ。そのかいあって初日から最高の時間を得ることができた。
途中に山の住人アナグマさんと出会ったり、ツゲやブナの原生林の中を歩いたりと、山の変化も敏感に感じた。綱附森から三嶺がよく見える場所に腰を下ろして、昼寝もした。1日目最大の登りとなった地蔵頭を越えて、ピラミッドのような天狗塚がよく見える天狗峠に無事に到着した。
天狗塚から三嶺までの約4キロの稜線も素晴らしく、翌日の縦走も格別な時間となることを期待しながら、避難小屋に荷を下ろした。快適な避難小屋は貸し切りで、静かな時間に包まれた。
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