日記

何でそんなにポジティブなんですか!?
2018.05.16

今日は昨日よりも暑さが増す予報だ。
朝から目指す方向より、お遍路さんが現れる。歩きの人、自転車の人、バイクの人、バスの人。
お遍路さんとすれ違う際、意外と交わす言葉は少ない。四国に入った頃は、お互いに足を止めて、話をする方が多いかと思っていたが、「こんにちわ~お気をつけて♪」というくらいだ。もしかしたら、お遍路さんの方が、今の僕よりも一心不乱に突き進んでいるように見え、2百名山のときの自分が重なった。

そんな中、前方に黄色い全身タイツを着ている人とカメラを持つ人が日陰で休んでいた。
お遍路かなと思ったが、お互いに興味に引かれるように「こんにちわ~どこから来たんですか?」と始まった。
話を伺うと、KBC九州朝日放送の深夜番組企画(ドォーモデー)で、今年南海ホークス時代から80周年を迎えるソフトバンクホークスを応援するために、大阪から宮崎県を経由して、福岡ドームまでの1000キロを歩いているという。(さすがに海はフェリー)
すでにスタートしてから1ヶ月以上が経過しているらしく。6月3日までにゴールしなければいけないそうだ。見事たどり着くことができると、始球式をすることができるという。また、面白いルールがあり、ホークスが試合に勝つと、1日3000円が支給され、それを資金に旅をしているという。負ければ0という過酷なルールだ。
番組のリポーターの男性が企画の主人公なのだが、表情からすでにかなり追い込まれているのが伝わってきた。どうやら身体はすでに満身創痍のようだ。

そのあとは逆に「それでそちらは何をしているのですか?」と聞かれたので、これまでの活動やアドベンチャーレースについて、今回の挑戦などを話した。
話の内容を把握すると、ご自身のチャレンジを恥ずかしくなってしまったようだったが、僕は「人それぞれです。何ら比べる必要はありません。人によっては、1000キロが10000キロを歩くほどの挑戦になることもあります。」と言った。
それから、毎日の楽しみは?足は痛くなりませんか?歩いていて嫌になりませんか?何を目指しているんですか?等々質問攻めにあった。一つ一つに自分の経験に基づいて答えた。すると何度も「何でそんなにポジティブなんですか!?」と繰り返していた。その言葉にどうやら、自分からやりたいという強い気持ちよりも、企画を全うしなければならない、という気持ちが強いのではないかと感じた。ご自身でもすでに心がいっぱいいっぱいで余裕がないという。

「どうしたら心にゆとりを持てますかね」と聞かれたので、「自分のネガティブな感情を自分以外の人やモノに責任転嫁せず、たくさんの人との出会いや日々の出来事に触れて、自分の弱さを素直に受け入れることからですかね。」と伝えた。と言いながらも言葉で理解できても、自分自身が心で感じなければ、正確には変われないと思っていた。無事に福岡ドームまでたどり着いて、見事に始球式を成功させてほしいと素直に願っている。
笑顔でお互いのチャレンジの健闘をたたえ、握手を交わした。

ゴールしたときにスタート前の自分自身と何が変わっているのか。あるいは変わらなかったのか。どちらにしろ何かに気がつけたら、次回はもっと自発的にチャレンジをすることができると思いながら、須崎市を目指した。

 この日記に書かれている場所はこの辺りです