日記

四万十川源流点へ
2018.05.03

愛媛県と高知県の県境にある天狗荘で、四国カルストを包み込む雲が晴れるのを待った。しかし…2時間待っても一向に晴れる気配がなかったので、天狗の森へと登り始めた。山頂でも1時間ほどさらに粘ったが、今回は四国カルストと馬が合わなかったようだ。

四万十川源流点へ向かう途中で、地球の割れ目「大引割・小引割(おおひきわり・こひきわり)」に立ち寄った。想像以上の深さと大きさに驚愕した。
林道に合流してからは、少し駆け足で四万十川源流点を目指した。明日から始まる四万十川ダウンリバーのスタート地点として、重要な場所となる。当初のスケジュールでは四万十川を源流から河口まで下る予定ではなかったが、四国カルストに行きたくなったことで源流点が近くなり、アドベンチャーレーサー魂に火がついた。
過去に利根川を源流点から河口まで下ったことがあるが、やはりロマンがある。また、これまでの旅では、水上は海だけだったが、今回は川も下ることで、大きなアクセントになると考えていた。リバーガイドとしての技量も十分に発揮できる。四万十川196キロではどんなドラマを描くことになるだろう。

四万十川源流点への細い舗装路を、不入山(いらずやま)に向けて2キロほど登っていくと登山口にたどり着く。入口には四万十川源流の碑があり、源流点はさらに30分ほど登山道を登った先とあった。
行きよい良く駈け上がり、源流点へ。
源流点には「四万十川(渡川)源流点、196キロの流れここに発す」とあった。辺りは深い苔に包まれ、チョロチョロと優しく流れる沢が四万十川の始まりとなるようだ。ふと、源流点から流れ出した水はどのくらいの時間で、河口までたどり着くのかと疑問に思った。実際に自分が下ることで、その答えが分かるかもしれない。

いままでにない新たなドキドキワクワク感を胸に、源流点から下山した。残念ながら、源流点から10数キロは歩きになる。なぜならパックラフトという小さなゴムボートで下るため、それを浮かべられるほどの水深が無くてはいけないからだ。少しでも源流に近いところから漕ぎ出したいが、現実的には難しい。
それでも90%下ることができるのだから、きっと達成感は得難いものになるだろう。

 この日記に書かれている場所はこの辺りです