4ヶ月が過ぎました♪
2018.05.01
5月のスタートは夏のような匂いと谷に立ち込める霧の中を行く道から始まった。
四国八十八霊場の中間地点となる古岩屋(ふるいわや)から四国カルストまでの長丁場、標高差は最大で1200メートルにもなる。途中、四十五札所の岩屋寺(いわやじ)に立ち寄った。
朝からたくさんのお遍路さんが、岸壁に張り付くように建っている本堂を目指して、長い階段を上っていく。僕もその流れに乗って、本堂へと向かった。
四国の霊場は他の地の神社仏閣と違う雰囲気があると思っている。なぜなら、毎日途切れることのないお遍路さんの姿があり、皆さんそれぞれに理由があって訪れる。僕のようにお遍路ではない者が、興味本意で来てはいけないのではないか、と思うからだ。
5回目の歩き遍路というご主人に連れ添って、初めて一緒に歩いている奥さまが「私はただ一緒に歩かせてもらっているだけですから」その言葉に何となく共感を得た。
岩屋寺に訪れるお遍路さんたちは、手を合わせてはお経を唱えていく。隣で僕は手を合わせて感謝の念を伝えるだけ。不思議な感覚になる。
弘法大師さんがここを訪れる前から、女性の修験者が行場としていた「せりわり行場」へ。納経所にてお札を購入して、行場の門の鍵を受け取り、三十六童子を順番に回った。行場の入り口には、大きな不動明王がいて、門の鍵を開けて中へ、狭い岩の割れ目を登り、鎖と梯子を使って、小さなお堂がある岩山の上に立った。なんと表現したらいいのか分からないが、ここでも不思議な感覚に包まれた。
気付けば3時間も時が過ぎ、四国カルストへの道のりは、延々と続く坂を走り続けるハードな行程となった。四国南部への道のりは容易くはなく、四国を地図で見ても分かるように、凄まじい力が加わって切り立つ峰々ができたのだと、深い谷間を走りながら思った。
しかし、頑張って走った甲斐もなく、日本三大カルストの四国カルスト地芳台(じよしだい)は、深い雲に覆われてしまっていた。
残念ではあったが、青々とした牧草を食べる牛たちと大小の石灰岩を見ることができたし、何よりも日本一高いところにあるカルスト地形に来たことは、紛れもない事実であるということで十分だろう。
明後日の朝に嵐が過ぎ去ったあとに景色を見渡せることを期待したい。