日記

3億年
2018.04.15

石灰岩が長い年月をかけて浸食されてできた帝釈峡(たいしゃくきょう)を目的地として、道後山から尾道までのルートを選んだ。寒の戻りで冷たい北風吹き、週末でにぎわうはずの帝釈峡は、観光客の足が遠退いてしまったようだ。
帝釈峡の桜も例年より早く散ったようだが、鮮やかな新緑が谷間を彩っていた。
帝釈峡を神龍湖(しんりゅうこ)まで歩くルートに入る前に、帝釈峡の長い歴史を保存している資料館に立ち寄り、そこで予習をすることにした。

帝釈峡は3億年前は海底で、硬い玄武岩の上に堆積した珊瑚礁などが石灰化して200メートルを超える石灰質の岩盤を形成したという。それが隆起し地上(カルスト台地)に出てきて、水の浸食により複雑な洞窟を作り出したらしい。広大なカルスト台地の下は無数の穴やトンネルがあり、今も浸食され続けているため、地面が突然陥没するドリーネと呼ばれる現象が起きるという。ドリーネは平尾台でも見ることができた。
また、帝釈峡には浸食されてできた洞窟や岩の窪みを居住地とする岩陰遺跡が50箇所以上もあり、12000年前の世界的にも珍しい土器が出土したという。帝釈峡の岩陰遺跡から出土した、石器時代後期から縄文時代までの遺跡が数多く展示されていた。

こうして、帝釈峡の成り立ちから、現代までの歴史に触れたことにより、より深く帝釈峡の名称一つ一つを味わいながら見て触れて感じることができた。
そして、一番の驚きは日本一の天然橋でもある「雄橋(おんばし)」は見事だった。どうしたら見事な橋になるのか、不思議な自然の力にただただ息を呑んだ。また、昔は地元の人の生活どうだったことにも驚かされた。

想像もつかない長い歳月の先にできた景色に圧倒されながらも、新緑が深まり瀬戸内海が少しずつ近づいているのを感じる1日となった。

 この日記に書かれている場所はこの辺りです