日記

本州三県目
2018.04.10

昨日の地震が夢だったのではないかと思ってしまうほどの、気持ちいい日差しと空気と風の中、頓原(とんばら)の道の駅を出発した。出発直後、駅の駐車場のアスファルトに入ったヒビの中に、キレイなハート型があることに気づき、今日はいい日になる予感がした。

本州三県目の広島県へは、大万木山(おおよろぎさん)への登山道を登り、峠を越えて入るルートを選んだ。数日間寒さが続いたためか、久しぶりの暖かさに、動植物も元気に風に揺れたり、道路に顔を出したり、鳴き声を山に響かせた。
春を迎えて温かくなると冬眠中だった動物たちも元気に出てくるが、この日は3匹も車に轢かれてしまったヘビに遭遇してしまった。その姿をみて、改めて人間は自然の摂理から逸脱している存在だと感じた。

山陰の海岸線では散り始めていた桜も、山間部ではまだこれから見頃を迎える感じで、旅をしていると、長い間桜を楽しむことができ、幸せな気分になった。
大万木山の滝見コースを登り、途中からは林道を歩いた。林道にはまだ雪が多く残り、その上には熊の足跡もあった。それを見て、本州にはツキノワグマがいることを思い出した。

峠は県境を示す看板などはなく、ただ、県境で島根県側のアスファルトに引いてあった白線が、広島県側ではなくなっていたり、ガードレールの色が茶色から白へと変わっていた。すごく地味な場所で、中国山地を越えて山陰から山陽へと入った。
山陰側の山肌は日本海からの冷たい風や、日差しを受ける時間が少ないため、残雪や、草木の芽吹きは遅かったが、山陽へと入ると残雪はほとんどなく、草木はすでに芽吹き、暖かな日差しに包まれていた。

元気良く高野町(たかのちょう)の集落へとかけ降りて、満開の桜や鯉のぼりを見上げながら、初めての広島の山となる吾妻山が良く見える吾妻山ロッジを目指した。
昔、砂鉄の採掘で栄えたという吾妻山へは、下の集落から、谷間に沿って街道となっていた旧道を登った。途中、笹藪に道を見失うこともあったが、当時の名残もありワクワクしながら、赤く染まる空の下、宿泊先のロッジに到着した。

広島県一日目で感じたのは、三瓶温泉から来ましたといっても、地震のことを口にする人は居なかったこと、山一つ越えただけでこんなに違うのかと少しショックだった。

!登山ルートをYAMAPでチェック!

 この日記に書かれている場所はこの辺りです