日記

洞窟探検家
2018.03.26

日本の三大カルストといえば、山口県の秋吉台、高知県の四国カルスト、そして福岡県の平尾台だ。
二百名山の旅の時に秋吉台に行った際、地面から突き出たような無数の石灰岩と草原を目の前にして、違う星に来てしまったようにも思えた。そして、カルストの下には大きな鍾乳洞があることも知った。秋吉台の秋芳洞は観光鍾乳洞として、かなりしっかりと整備されており、ヘッドライトを装着して意気込んで入ったが、空回りしてしまった。
しかし、今回入る千仏鍾乳洞は狭く、片道はなんと1.2キロもあり、さらに後半は水のなかを歩くことになり、さらにさらに!終盤は照明がなくなり、一番奥までいくとずぶ濡れになるとあった。それが観光鍾乳洞として解放されているのだからスゴい!!
まさに、アドベンチャーレーサー魂が掻き立てられる条件が揃った。

無料でサンダルもレンタルできたが、のっけからそのつもりはなく、濡れても靴でいくと決めていた。水温は14度と低めなので、濡れたときのことを考えて、入口の係りの方に「寒いですか?」と情報収集するが、「皆さん奥までいく人は、着の身着のままなので、ずぶ濡れになりますけど、特に寒がったりはしてませんよ~」との返答に、自分の慎重さと気合いがまたしてもやや空回りしている感じが否めなかった。
それでも、アドベンチャー感を盛り上げるために、頭を守るニット帽、ヘッドライト、グローブ、レインウエア上下を着込み、いざ入口へ。

気合いを入れて、ストレッチをしている横を、ビーチサンダルと短パン半袖の学生らしき若者がキャッキャッ言いながら入っていく。彼女たちからはもしかすると、「なにこの人!?」と思われていたかもしれないが、僕は気にしない。すでに冒険者ヨウキにスイッチが入っていたからだ。
怪物の口のような入口を潜ると、天井は割りと高いが、スタートから思ったよりも狭い鍾乳洞が続いていた。先行する3人組の学生たちの笑い声や驚く声が響く、狭いがアップダウンはほとんどなく、ほぼ平坦に進んでいく。
そして、奥の細道という場所までくると、足元は川となったが、躊躇なく突入した。
思ったよりも冷たくはなかったが、長時間浸かると確実に冷えてくる冷たさではあった。

さらに進むと、先を行っていた学生たちが引き返してきた。どうやら、照明がなくなるポイントまで来たようだ。胸が高なり、1つカーブを過ぎると、「照明はここまで」の看板があった。
ヘッドライトをスイッチオン!最大ルーメン(光の強さの単位)で進行方向を照らした。消すと本当に真っ暗闇♪閉所恐怖症の人には絶対に無理な世界だろう。

さらに進むと、だんだん水かさが増して、深いところは膝ほどになった。そして、地獄トンネルから先は、想像を超えていた。天井がかなり低くなり、さらに幅も狭く、天井からは滝のように水しぶきが襲ってくる。膝をついて這いつくばらないと進めない状況となったが、行けるところまで行きたい気持ちがさらに高まっていく。
這いつくばりながら滝を潜る場所では、レインウエアを着てきて良かったと思うほど、水をかぶり、天井が低いところでは水深が深くなっているために、下半身は見事にずぶ濡れになってしまった。一人ギャーギャーワーワー言いながら、折り返し地点の第三の滝まで来ると、その先は寝転がってなんとか進める感じとなっていた。しかし、水がトンネルの高さ3分の2まできていたので、そこで引き返すことにした。ウエットスーツを着ていれば、きっとまだまだ行けそうだ♪

往復コースのため、再び滝に打たれながら、四つん這いになって、地獄トンネルまで戻ってくると、そこには携帯のライトだけできていたハワイからの観光客と出くわした。
狭いトンネルから出てきた僕を見て、笑いながら驚いていた。そして、「あなたクールね♪写真とらせて~」と言われ、初対面のアメリカ人のおじさんと一緒にポーズを決めて、記念写真を撮った。

帰りはあっという間だったが、1時間以上も洞窟探検を楽しむことができて、素晴らしい充実感と達成感を得ることができた。
そのあとは、茶屋でランチをとりながら、濡れた服などを乾かして、昼過ぎに平尾台を散策しながら貫山(ぬきさん)に登り、西日を浴びる北九州の街へとかけ下った。

 この日記に書かれている場所はこの辺りです